パスポートの紋章はなぜ菊なのか


パスポートの紋章はなぜ菊なのか

パスポート(旅券)は、個人が海外を旅行する際に所持する公文書であり、通常はその国の国籍を有する者にのみ発給される。
所持人の国籍と身分を証明し、外国官憲あるいは自国領事の保護と便宜をうけるために必要不可欠のものである。
また、パスポートは所持者が自国を出国、あるいは自国に入国する際の許可証でもある。
外国に入国するときに、事前にその国の領事からパスポートの審査をうけ、承認をえることが必要な場合もある。
このために発行される証印をビザと呼ぶ。
パスポートを発給する慣行は、外国人に対して自国の領土を通過する特権を保留することができるという国家の権利に由来する。
元来は、政府が自国の領土を通過することをみとめた正式な許可証がパスポートだった。
しかし、手続き上の便宜のために、外国に入国しようとする旅行者は、自国の政府から国籍の証明書を取得することが慣例となり、相手国はこの証明書をパスポートとして承認するようになった。
海外旅行に欠かせない日本のパスポートの表紙には、菊の紋章がついている。
日本人である事を証明するものならば、日の丸の方がわかりやすいと思うだが、何故なんでしょう?
明治時代に、パスポートは日本帝国海外旅券章と呼んで、時の政府の印章であった菊の紋章をつけた。
大正時代には大日本帝国外国旅券となり、やはり菊の紋章をつけて昭和20年まで続いた。
昭和26年、連合軍の占領から解放された日本政府は、パスポートを発行出来るようになり、この時、習慣的に菊の紋章を再び用いる事になった。
一般旅券の発給をうけようとする者は、申請書、写真、戸籍謄本または戸籍抄本、身元確認のための書類(運転免許証や健康保険証)などを居住する都道府県の旅券課を通じて外務省に提出する。
交付される旅券には、申請者の希望に応じて有効期間10年物と5年物がある。
いずれも原則として数次往復用旅券で、未成年者は5年物のみである。
新規発行手数料は、有効期間10年物の場合は1万5000円、有効期間5年物の場合は1万円、12歳未満の者の場合は5000円で、いずれも国と都道府県に分納する。
渡航先については、現在では原則としてすべての国および地域について有効とされている。


雑学集に戻る


このページは GeoCitiesです 無料ホームページをどうぞ