語源辞典《や行》


語源辞典《や行》
言葉・言語語源
八百長 語源は相撲界にあり、明治初めに「八百長の長兵衛」という男が、伊勢海という相撲の親方と囲碁をして、お得意様だという事で、わざと負けたことから。
焼きが回る 「焼き」とは日本刀製作過程の一つ「焼き入れ」の事。火加減がポイントで、あまり焼き過ぎると切れ味が悪くなる。これが「焼きが回る」と言い、転じてボケたり、腕前が落ちたことなどを意味するようになった。
ヤクザ 花札からきた言葉。花札で配られた札の数字の合計の末尾が9(カブ)なら最高、0(ブタ)なら最悪。そこで8、9とくれば、次は2が欲しいのだが、3がきてしまった。これでは末尾がゼロで最悪。そこで「最低」という意味で「ヤ(8)ク(9)ザ(3)」になった。
野次馬 語源は「親父馬」。文字通り、馬の親父の事。馬はとても子供をかわいがる。そとで親父馬は必ず子馬の後をついてくる。その様子がどこでもゾロゾロとついてくる見物人そっくりだったため親父馬と言われるようになり、それがやがて「ヤジウマ」になった。
やたら 語源は宮中で行われる雅楽との説がある。二拍子と三拍子が合わさって五拍子になる変形の拍子がある。この拍子を「やたら拍子」というが、なにせ変形な拍子なので演奏しづらく、テンポが乱れることもしばしば。そこから乱れるさまを「やたら」という言い回しが起こった。
八ツ橋 京都名物「八ツ橋」は、八橋検校(やつはしけんぎょう)という人名からつけられた。琴の名人だったそうだ。
やばい 具合の悪い様子を表した「やば」という形容動詞が変形したもの。
ヤブ医者 語源は色々とあるが、有力なのは「ヤブ」とは「野巫(ヤブ)」だとする説。つまり、田舎の巫女で医者の心得もないのに、まじないでなどで治療する人の事。怪しげなので、「ヤブ医者」という言葉が生まれた。
野暮 「野暮」の語源は、「野夫(やぶ)」が転化した説、「藪者(やぶもの)」が略された説がある。
ヤマが当たる 「ヤマ」は山の事。これは、鉱石のある鉱山の事。科学技術が発達した現在は、金、銀、ダイヤモンドなどの鉱石を探すのは難しくないが、昔は大変な事で、殆どが博打だった。それで、そんな時代に鉱石を発見するようなものだから、こう呼ばれるようになった。
山形 山方(やまかた)で、山の方に寄った土地という意味。一般的に最上川の上流域を古くから山方と呼んでいた。
山口 文字通り、山の入り口という意味。阿武郡の奥の山に入るあたりをさしていたので、この名前がついた。
山梨 「山に囲まれ、梨の樹が多くあったことからそう呼ばれるようになった」とも、「山麓を切り開き平らにして開村したという意味の山平=ヤマタイラが転じた」とも言われる。
山女(ヤマメ) その姿が美しいので、女性になぞられて名付けられた。
ユーモア ラテン語で体液という意味の「フモール」が語源。昔の西洋人は、人体に流れている4つの体液のバランスによって、人間の気質や体質が決まると考えられていた。やがて、英語の「ユーモア」は「気分」という意味で使われるようになり、それがやがて現在のような「おかしさ」という意味になった。
雪やコンコン 「コンコン」とは、雪の降っている様子の形容語という説があるが、そうではなく、「コンコン」は、「コムコム=来ム、来ム」が転化したもので、「ム」は相手を勧誘する意味を持っている。だから「コムコム」は「来なさい、来なさい」という事であり、「雪やコンコン」とは「雪よ、降れ降れ」の意味。
油断 インドの暴君が家来に油がいっぱい入っている鉢を持たせて「うっかり、一滴でも油をこぼせば命は無いぞ」と言った事に由来する説と、古語で「ゆったりする」という意味の「ゆたに」が変化したという説がある。
指切り 昔、遊女は、好いている証拠を相手の男に示すために、指を切ったり、髪を切ったり、入れ墨を彫ったりなどの、いわゆる心中立てを行っていた、子供が約束をする時の呪文「指切りげんまん、ウソついたら針千本飲みます」は、ここから生まれたらしい。
ようかん 原料の小豆の色が羊の肝に似ていたので、「羊肝」と書いたのが語源。しかし、さすがにお菓子なので羊の肝では、いかにも美味しくなさそうなので、同じ音の羹という字を使うことにして「羊羹」になったようだ。
用心棒 江戸時代の家屋には鍵がなかったため、住人は用心のために夜戸が開かないように内側からつっかい棒をかませた。それを心張り棒といったが、用心棒ともいった。また、盗っ人などに備えて武器として用意しておいた棒もいう。
横やり 「やり」は「槍」で、両軍が入り乱れて戦っているときに、別の一隊が側面から槍で突くことから出た言葉。



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