二日酔い撃退法


二日酔い撃退法

年末にはクリスマス、忘年会、年が明けたら新年会、節分、ひな祭り、送別会、花見、歓迎会、端午の節句、納涼会、ビアガーデン、誕生日会…

何かとお酒を飲む機会が多い。

しかし、何が最低かと言えば、二日酔いの朝ぐらい最低なものはない。


アルコール中毒の研究家のE・ツオミネンは、二日酔いの症状として、次の20を上げている。

嘔吐、頭痛、食欲減退、疲れ、胸やけ、発汗、歩調の乱れ、持続的な喉の渇き、震え、動悸の亢進、眼球の震え、関節の痛み、呼吸の乱れ、不快感、不眠、不安感、めまい、憂鬱感、顔面の蒼白。

これだけ多彩な症状を持っているだけあって、二日酔いの原因も様々。


まずは、酔いのメカニズム。

アルコールは、胃20%、残りの80%は小腸で吸収される。吸収されたアルコール分は、血液によって骨、歯、毛髪、脂肪組織を除く体全体に広がってゆく。その時、脳にも浸入して、中枢神経を麻痺させる。これが「酔っ払った」状態。

さて、体に入ったアルコール分だが、そのままいつまでも体中を駆け巡っていたら困る。

血液に運ばれたアルコールは、肝臓に集まってくる。ここでアルコールは肝臓の持っている酵素を使って、アセトアルデヒド、酢酸、水と二酸化炭素といった順番に分解されていき、最後は尿と汗という形で体外に排出される。

ただし、肝臓の処理能力には限界がある。

処理できなかった分は、再び血液によって体中を回り、肝臓を通過するたびに、さらにまた一定量が分解される。しかし、飲み過ぎてしまうと、肝臓はアルコールを分解するための酵素を使いきってしまう。

酵素を使い切ると、アルコールを二酸化炭素の状態まで分解できないから、中途半端に分解された状態の不純物(アセトアルデヒドなど)が体中を再び駆け巡る事になる。それが、頭痛、むかつき、顔面蒼白などを引き起こす。これが二日酔いだ。

さらに、アルコールで胃が荒れたり、アルコールを肝臓で分解する際に、ビタミンや血液の糖分を使いすぎる事も、二日酔いの諸症状を引き起こす原因になる。つまり、アルコールが作り出すいくつかの要素がからみあって、体のバランスが崩れる事で二日酔いは起こると言っても良い。


二日酔いの撃退法。

当然、症状によって対策は違ってくる。胃が荒れたのであれば、胃薬を飲めばいいかもしれない。頭がガンガンする時は、冷たいシャワーが効果的だろう。しかし、用は、体内に残ったアルコール分を追い出さない限り、根本的解決にはならない。

お酒を飲むと、中枢神経が麻痺して、小便が近くなる。すると、翌日は軽い脱水状態になる。血液中の水分が減少し、流れが滞って、老廃物が血管にたまり、酸素の運搬量も低下してしまうのだ。こうなると、なかなか血液中の不純物が外に出ていってくれなくなる。

それならば、水を飲めば良いのかというと、話しは単純ではない。

人間の体は、ナトリウムとカリウムによって、細胞の水分のバランスが保たれている。だが、お酒を飲むと、小便と一緒に二つの成分も排出されてしまう。そうなると、いくら水分を飲んでも、順調に吸収してくれなくなる。

昔から、二日酔いの時は、梅干を食べれば良いと言われているが、それは梅干しにナトリウムとカリウムが適度に含まれているからだ。だが、水分を体内に吸収させる点では、スポーツドリンクのたぐいが、中々有効的である。多くのスポーツドリンクは、体液と同じような成分が含まれているから、吸収されやすい。水分が体にしみわたれば、血液の流れが円滑になって、アルコールは汗や小便として、無事に排出されるというわけだ。


「酒を飲みすぎた時には、サウナが良い」などという声もある。だが、お酒を飲んだ後のサウナは心臓に負担がかかり過ぎて、大変危険。汗を流したいのであれば、次の日に朝風呂に入る方が良い。ぬるめのお湯で、肩までしっかりと浸かってゆっくり汗をかこう。勿論、水分の補給も忘れてはいけない。

また、迎え酒で二日酔いが治ると信じている人も多いが、苦しみを先送りしているだけで、何の解決にもならない。


疲れた肝臓をリフレッシュするためのスペシャルメニューをご案内しょう。

・ハチミツとしょうがを溶かした熱湯

・ケチャップをつけたウズラの卵

・キャベツ、小松菜、リンゴ、レモン、ハチミツ、ヨーグルトのミックスジュース

・しじみの味噌汁

・大根おろしなど

これらは、不足したビタミンB、Cやタンパク質、そしてナトリウムやカリウムを含んでおり、消化に良い。
薬局で見かける二日酔いドリンクも、同じ理由で肝臓のリフレッシュに効果があると考えられる。

勿論、最初から飲みすぎないのが何より。とは言っても、ついつい、もう一杯という気持ちもよく分かる。

最後に、二日酔い撃退法の決定版を書いておこう。

寝ることである。

二日酔いに特効薬はない。時間がたつのを待つのが一番。寝れば体力も回復するし、その間は苦しまなくてすむ。寝ることだけが薬になる。

飲み過ぎだけはくれぐれもご注意下さい。


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