デマ収集年表


デマ収集年表

デマ内容
1631館林城下(群馬県南東部)で「城主が改易(土籍を剥奪し領土を没収すること)された」との噂が広まり、城内外での騒動に発展する。ある修験者の流言が原因だったが、その日の昼ごろには騒動はおさまった。
1693江戸で「馬が突然人語を話し出し『年内にもコロリ(コレラ)が流行する』と言った」との噂が流れる。奉行所は10ヶ月に及ぶ調査の末、八百屋と浪人の2人を逮捕、八百屋は流罪になり、浪人は斬首刑に処された。
1719この年の1月、大阪で「夜までにカブを食べないと病気になって死んでしまう」というデマが飛び交い、人々は慌ててカブを買い求める騒ぎとなる。多くの人が、料理などもせずにおろし金ですりおろし、お湯などに入れて飲み込んだという。
1813江戸で「ソバを食べると死ぬ」という噂が流れ、江戸中のソバ屋が売れ行き不振に陥る。
1846江戸で「ゴボウには毒がある」という噂が流れる。
18717月14日、高知県で徴兵制に備えて各家屋に番号札をつけたところ「札は外国人が子供の脂を取るための調査」というデマが流れ、数百人が暴動を起こす騒ぎとなる。
1872政府が発行した徴兵制に関するパンフレットのなかにあった「血税」という言葉が、文字通り「血を絞り取られる」と勘違いされた為、翌年にかけて各地で暴動が起きる。
1872ある県では、戸籍改正の為の生年月日等の調査を「未(ひつじ)年の処女を海外に売り飛ばすためだ」と勘違いしたデマが飛んで騒然となる。その騒ぎの最中に「外国では歯を染めている者は年齢に関わらず結婚しているとみなされた」というデマが流れ、今度は慌てて娘にお歯黒を塗りたくる光景が見られた。
1872 4月、広島や山口地方で、電線の架設工事を見た住民が勘違いして「電線に処女の血を塗っている」というデマが横行。やはり少女にお歯黒を塗ったり、慌てて眉を剃り落とす女性が頻出した。
1874 8月「前橋にある養豚会社で人と豚の混血児が生まれた」という話題が伝えられ、議論を呼ぶ。豚と人間とでは受精は不可能。したがって全くのデマ。
1878 明治時代にはコレラが幾度が猛威を振るったが、病理メカニズムが一般民衆にはよく知られておらず、また隔離療法の違和感から、「隔離病棟に入れられると生き肝を取られる」といった噂を真に受ける者が多かった。この年、千葉県で旅行者がコレラにかかっていたため医師が治療していたところ、それを聞いた地元の漁師たちが「旅人の生き肝を取るつもりだ」と、この医師を襲って竹槍で惨殺し、川に遺体を投げ込む事件が起きている。
1891 この頃「西郷隆盛は死んでいない。戦火をくぐり抜け、城山から朝鮮半島を経由してロシアに脱出して生きている」という噂が流れる。西郷隆盛の生死をめぐって口論となり、相手の農具のクワで殴りかかる事件まで起きている。
1892 9月、長崎でとある外国人が日本人女性を外国商館内に拉致し、犬にレイプさせる事件が起きる。その後、その女性が妊娠したという噂が流れたが、犬と人間とでは生物学的に受精は不可能なので完全なデマ。
1910 5月19日、ハレー彗星が地球に大接近した。ところが「地球上の空気が一時消滅する」「彗星の尾に含まれる有毒ガスが地球を覆う」などのデマが世界中に流れた。日本では、小学校などでバケツの水に顔を突っ込んで息を止める練習を集団で行ったり、空気ボンベ代わりになる自転車のチューブの値段が高騰するなどの混乱が見られた。
1923 関東大震災のさなかに「朝鮮人が暴動を起こし、井戸に毒物を投げ込んでいる」という流言が広まり、これを信じた自警団や警察、軍隊によって数千人の朝鮮人が殺害された。近代日本史の中で最大のデマ。
1939 東京市中に夜な夜な現れ、女子供の生き肝を取る「赤マント」が噂に。小学生の間に生まれた作り話しだったと言われる。言論統制下の新聞不信が流行を促進しさせたと言われる。
1961 昭和29年の「第5福竜丸事件」以降、核実験とその放射能の害がクローズアップされるようになった。その中で話題となったのが雨で、実際に通常よりはるかに高い濃度の放射能が検出され核実験の影響が論議された。ところが庶民の間では「放射能雨に濡れると髪の毛が抜ける」という噂が流れた。ところが、80年代になって酸性雨の害が注目されると、今度は「酸性雨に打たれると髪が抜ける」という噂へと変化した。
1962 4月20日、東京都京橋にあった東洋電気製造という会社が「10万円のカラーテレビを開発した」という噂が流れた。10万円のカラーテレビと言えば、当時は破格の激安。その為、同社の株価は暴騰。しかし、実は東芝製のテレビを使ったサギ行為だった。
1970 広島県比婆山でヒマラヤの雪男のような異様な生物が目撃され話題となり、山にちなんで「ヒバゴン」と名付けられる。
1973 愛知県小坂井町の豊川信用金庫で取り付け騒ぎ。同信金が「経営不振らしい」という憶測が口コミで広まり、預金を引き出す為、支店に客が殺到。騒ぎは他の支店や本店にも及び、延べ約5000人の預金者が約14億(一説には20億)円を引き出した。
1973 「ツチノコ」ブームとなる。全国から目撃談が雑誌やテレビ局などに寄せられ、雑誌でツチノコ特集が組まれたり、「ツチノコに襲われた」と証言する人物がテレビ出演するなどの熱狂ぶり。その後、ツチノコは日本のUMAの定番の一つとなる。
1973 6月、千葉県の南部で「6月11日の午後11時15分に大地震がある」というデマが流れる。木更津市の小学校の校内放送でこのデマが流されしまったため父兄に伝わり、非常食が売り切れになるなど住民が一時騒然となる。当然ながら、地震は起きなかった。
1973 11月頃「トイレットペーパーが無くなる」という噂が立ち、トイレットペーパーの買いだめ騒ぎとなる。大阪に端を発し、東京、横浜など各地で同様の騒ぎが起こり、スーパーからトイレットペーパーが姿を消し、怪我人が出るまでの騒動となる。オイルショックなどの社会不安が生んだデマだと言われる。
1974 「6月18日午前8時に大地震が起きるので、一刻も早く避難せよ」という意味のビラが大阪や名古屋でばら撒かれる。配布したのは「一元の宮(いちげんのみや)」という宗教団体。当日になっても地震は起きず、教祖の元木勝一は自殺未遂。
1978 東京で「ナンチャッテおじさん」の噂が広まる。山手線の車内で「ナ〜ンチャッテ」というセリフで乗客を笑わせる中年のオジサンの目撃談がラジオの深夜放送で紹介され、都市伝説的な話題となる。さらに「元祖ナンチャッテおじさん」という単行本まで発行されたが、のちに放送作家の完全な創作である事が判明した。
1979 「口裂け女」の噂が広まる。下校途中の小学生にマスク姿の美女が「私、きれい?」と声をかけ、子供がうなずくと「これでも」とマスクを外す。すると口が耳まで裂けた形相が現れるというもの。これに触発されて「リンゴ女」などの類似した噂も出現した。
1979 夏頃、青梅線沿線に「四つん這い婆さんが出没」という噂が流れる。目が合うと四つん這いのまま、物凄い速さで追いかけてくるという。
1981 「市販のトマトジュースにはカブトムシが混入している」という噂が流れる。工場のバイトからの証言という形をとり、学生などの間で伝説化している。
1984 長崎県某市で「県営公園のプールに入った子供は性病にかかる」という噂が流れ、子供や親たちがパニックになる。、あまりの騒ぎに保健所が水質検査をしたところ、危険な病原体などは検出されず事実無根とわかる。
1986 7月頃から「自殺したタレントの岡田有希子の幽霊がテレビに現れる」という噂が流れる。全くのデマ。岡田有希子に関係した噂としては、他にも「岡田有希子のテレカを使うと怪現象が起きる」というケースが多かった。
1986 9月以降、クリネックスのCMに関する噂が流れる。松坂慶子と赤鬼に扮した男児が共演しているCMの放送終了後、「赤鬼役の男の子が死んだ」「松坂慶子が病気になって重体」など、全くのデマ。こうした芸能人の死亡や重病などのデマは数多い。
1987 「ソアラのサンルーフで助手席に乗っている人の首が切れる」という噂が流れる。「走行中にサンルーフから首を出していて頭部が切断された」というのがベースにあり、いくつかのバージョンが作られた。
1987 「9月13日に大地震が起こり、関東6県は殆ど全滅する」という噂が流れる。マザー・エリザベスこと金森隆子というシンセサイザー奏者の書いた本が出処。
1987 エイズの情報が広まる中「●●でエイズで死亡者が出た」といったデマがいくつも発生。
1988 「新宿NSビルの基礎コンクリート部分には、誤ってコンクリの中に落ちて死んだ作業員の遺体が入ったままになっている」というデマが流れる。
1988 広島県で「清涼飲食水のプルトップを一万個集めて送ると車椅子がもらえる」というデマが飛ぶ。同種のデマは90年代になってからも現われ、93年にはほぼ同種の内容が、95年には「割り箸の袋を3万枚」というパターンも出現した。
1989 「人面犬」が各地に出没したという噂が広まる。雑誌「ポップティーン」に端を発するものだったが、のにち某ライターと編集部との創作である事が判明。これ以後「人面〜」が続出する。
1991 「体長30cmのミニクジラがブーム」「渋谷に人面カラス出現」などの生物ネタの噂が一部の雑誌で紹介されたが、捏造演出されたものの感がある。
1992 小学生らの間で「『ムラサキカガミ』という言葉を20歳まで覚えていると死ぬ」という噂が広まる。その後「20歳の3月3日3時33分に死ぬ」などの尾ヒレがついたり、「『ミドリカガミ』では13歳で死ぬ」と追加されたりした。さらに救済策として「『黒いカーネーション』という言葉を覚えておくと助かる」というパターンも出現した。
1992 「ピアスの穴を空けた女性が穴から出てきた糸のようなモノを引っ張ったら、それは目の神経だった」というデマが広がる。もとは「ピアスの穴を空けたら視力が低下した」という噂の発展型らしい。
1992 「歌手の小泉今日子が死んだ」という噂が流れ、一部夕刊紙などは号外まで配布したが、事実無根のデマで所属事務所は激怒。
1993 「東京・石神井公園の池にはワニが住んでいる」という噂が立ち、一時期地域住民が近寄らなくなる事態になるが、結局はデマだった。
1995 元気象庁職員の相楽正俊が「9月9日に東京で大地震が起きる」と予言したが、地震は起きずに大外れ。また、83年にも「富士山が爆発する」と予言して、その時も外している。
1995 テレビ「サザエさん」が悲劇的な最終回を迎えるという噂が流れる。「ドエえもん」に対しても同様。
1996 7月頃から、東京で「タレントの志村けんが死んだ」との噂が広まる。その後、本人がテレビ出演して噂はあっさり否定されたが、小学生が発した軽いジョークが大人が真に受けたものとみられる。
1997 総合商社のトーメンに対して「トーメンの経営が危ない」とのいくつもの噂が流れる。同社の株価が暴落したため、同社は「噂は事実無根」と否定する記者会見を行った。噂というより、風説被害に近い。
1999 「中日ドラゴンズが優勝する年は政局が大混乱する」というジンクスが、永田町で話題となる。過去にドラゴンズが優勝した年に、田中角栄の退陣やリクルート疑惑などが起きているため。
1999 「タレントのナイティナインが5月26日に千葉県の公園にやってくる」という内容の差出人不明の電子メールが、千葉市内に住む女子中高生数名の携帯電話やPHSに入る。それが口コミなどで広まり、当日には指定された公園に約500人もの女子中高生らが集まる。警察まで出勤するが、デマとわかり解散した。
1999 インターネット上で「運転免許証に記されている12ケタの番号で前科がわかる」という噂が流れる。実際には、詳しい個人情報は12ケタでは処理不可能であり、根拠のないデマに過ぎなかった。
2000 前年末から、入管難民法の改定で「不法滞在に対する罰金が高額になる」という噂が広がり、施行前に不法滞在外国人が各地の入管管理局に詰め掛けた。実際には罰金金額の見直しはなかった。
2000 2月頃、大阪市で「男が日本刀を振り回しながら歩いている」という噂が飛び、目撃談が次々に現れた。警察が出勤して捜索したが、該当する不審者は無くデマだと判明した。



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