海 外 で 優 勝 し た 日 本 馬


レース年馬名レース名レースクラス騎手
昭和34年ハクチカラワシントン・バースデーHR・ヨーク
平成7年フジヤマケンザン香港国際カップ香港・G2蛯名
平成10年シーキングザパールモーリス・ド・ギース賞仏・G1武豊
平成10年タイキシャトルジャック・ル・マロウ賞仏・G1岡部
平成10年ミッドナイトベッド香港国際カップ香港・G2河内
平成11年エルコンドルパサーサンクルー大賞仏・G1蛯名
平成11年エルコンドルパサーフォア賞仏・G2蛯名
平成11年アグネスワールドアヘイユ・ド・ロンシャン賞仏・G1武豊
平成12年アグネスワールドジュライC英・G1武豊
平成13年ステイゴールドドバイシーマCUAEG・G2武豊
平成13年ステイゴールド香港ヴァーズ香港・G1武豊
平成13年エイシンプレストン香港マイル香港・G1福永
平成13年アグネスデシタル香港C香港・G1四位
平成14年エイシンプレストンクィーンエリザベス2世C香港・G1福永
平成15年エイシンプレストンクィーンエリザベス2世C香港・G1福永
平成16年シーザリオアメリカンオークス米・G1福永
平成17年ハットトリック香港マイル香港・G1O・ペリエ
平成18年ユートピアゴドルフィンマイルUAE・G2武豊
平成18年ハーツクライドバイシーマクラシックUAE・G1ルメール
平成18年コスモバルクシンガポール航空国際Cシンガポール・G1五十嵐冬樹
平成18年デルタブルースメルボルンカップオーストラリア・G1岩田康誠
平成19年アドマイヤムーンドバイデューティフリーUAE・G1武豊
平成19年シャドウゲイトシンガポール航空国際Cシンガポール・G1田中勝春
平成23年ヴィクトワールピサドバイワールドカップUAE・G1M・デムーロ
平成24年ルーラーシップクインエリザベス二世カップ香港・G1U・リスポリ
平成24年オルフェーヴルフォア賞仏・G2C・スミヨン
平成25年ロードカナロア香港スプリント香港・G1岩田
平成25年キズナニエル賞仏・G2武 豊
平成25年オルフェーヴルフォア賞仏・G2C・スミヨン
平成25年ロードカナロア香港スプリント香港・G1岩田康誠
平成26年ジェンティルドンナドバイシーマクラシックUAE・G1R・ムーア
平成26年ジャスタウェイドバイデューティフリーUAE・G1福永祐一
平成27年リアルインパクトジョージライダーSUAE・G1マクドナルド
平成27年モーリス香港マイル香港・G1R・ムーア
平成27年エイシンヒカリ香港カップ香港・G1武 豊
平成28年リアルスティールドバイターフUAE・G1R・ムーア
平成28年ラニUAEダービーUAE・G2武豊
平成28年マカヒキニエル賞仏・G2C.ルメール
平成28年サトノクラウン香港ヴァーズ香港・G1J・モレイラ
平成28年モーリス香港カップ香港・G1R・ムーア
平成29年ヴィブロスドバイターフUAE・G1J・モレイラ




海外で優勝した日本馬(平場)

ハクチカラ

2月23日、ワシントン・バースデーHに軽ハンデで出走したハクチカラは、レース半ばから先頭に立ち、そこから後続の追撃を凌ぎ切り、2着に首差をつけて、日本馬初の海外重賞ウィナーになった。さらにこのレース一番人気のラウンドテーブルを負かした事で、世界中にハクチカラの名前が知れ渡る事になる



フジヤマケンザン

香港国際カップ(4着)、クイーン・エリザベス2世C(10着)、3度目の挑戦となった香港国際Cでは、クイーン・エリザベス2世Cでの凡走からか、単勝26倍、10番人気に甘んじる。かえって、それが積極策が打てたのか、スタートから先頭集団に取り付くと、末脚を生かしてゴール前50mで先頭に立ち、念願の勝利を手に。しかも勝ち時計は1分47秒0は、従来のレコードタイムを0秒3を上回る結果となった



シーキングザパール

モーリス・ド・ゲロス賞。3歳からすば抜けた素質を見せていたが、なかなか運に恵まれず、勝ったG1はNHKマイルCのみ。それで、陣営は早くから海外に照準を合わせてた。このプランが成功し、好スタートから直線コース真ん中を逃げ、残り2ハロンで後続を突き離し、1分14秒7のレコードタイムで、日本馬初の海外G1制覇となった



タイキシャトル

マイルSC、スプリンターS、安田記念と短距離G1を3連勝して、満を持してフランス遠征。前週にシーキングザパールが勝った事もあり、ジャック・ル・マロワ賞では1.3倍の圧倒的な一番人気。レースでは、好スタートを決めると先行2、3番手につけ、残り2ハロンあたりから1馬身ほど抜け出して後続の追撃の勢いを振り切り、日本馬2週連続の海外G1制覇を達成した



ミッドナイトベッド

シャンティン競馬場で行われた香港国際Cは、スタートはうまく先行するが、向こう正面で馬群がごちゃつき、外の馬に寄られて下がる不利。しかし、河内洋騎手は動揺せずに外めに出し前に進出。四角では手応え抜群に先頭に取りつき、直線は楽に相手を突き離し快勝。1995年のフジヤマケンザンの勝ちタイムを0秒1上回る1分46秒9のレコードVだった。12番人気だった



エルコンドルパサー

サンクール大賞には、古馬一流クラスが集まった。サガミックス(昨年の凱旋門賞馬)、ドリームウェル(昨年の欧州年度代表馬)、ドイツのタイガーヒル、牝馬のボルジアといった強豪。レースはいつものように、好位追走の4番手。直線に入ると、各馬が一斉に仕掛けるが、蛯名騎手は冷静に馬なりで2頭を交わし、抜群の伸びで先頭をゆくタイガーヒルを交わして、2着に2馬身つけてハイレベルなレースを快勝



エルコンドルパサー

凱旋門の前哨戦となるフォワ賞は4頭という少頭数になった。コノレースで、エルコンドルパサーは、初めてハナをきる。直線では、いったんはボルジアの鋭い差し脚に交わされるが、ゴール前では、きっちり差し交わして、クビ差の勝利。これで、本番の凱旋門賞は最高の形で望められる。(結局、凱旋門賞はモンジューの半馬身差の2着だったが、世界の頂点と日本の差は半馬身になったと言える)



アグネスワールド

アベイユ・ド・ロンシャン賞、スタートよく飛び出したアグネスワールドは2、3番手で、うまく流れに乗ってレースを進め、ラストは共に抜け出したインペリアルビューティとの叩き合い。ゴール前の首の上げ下げで決着した



アグネスワールド

ジュライC 芝1200m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
アグネスワールド牡6武豊1分13秒18日本
リンカーンダンサー牡4ロバーツ
ビバロング牝5ダーレー
単勝5倍の1番人気に推された。が、メンバーも揃い、アップダウンが激しくタフなコースだけに接戦は間逃れない。まずまずのスタートをきり、アグネスワールドは、先頭集団の真ん中につけた。残り250mあたりで、コースの真ん中に出し、馬群を割って先頭に踊り出た。先頭集団からリンカーンダンサー、中団からピパロングが追い込んできて、団子になってゴールに雪崩こみ優勝。日本馬としては初めてのイギリスのG1を制した



ステイゴールド

ドバイシーマC 芝2400m
着順馬名騎手タイム・着差
ステイゴールド武豊2分28秒23
ファンタスティクライトデットーリハナ
シルヴァノスポリックス
好発から中団やや後ろに下げたステイゴルードは道中は内々をピッタリ追走。その前には、昨年のJC3着馬でエミレーツワールドシリーズの優勝馬ファンタスティクライト(アラブ首長国連邦)がいる。エンドレスホールが逃げるスローな展開のまま直線に向くと、ファンタスティクライトガスパート。ステイゴールドは内から外に持ち出し、直線の追い込みにかける。ファンタスティクライトが抜け出し、そのまま押し切ろうとした所を、ステイゴールドの強襲。わずかにハナ差を差しきる。武豊の好騎乗が目立っ



ステイゴールド

香港ヴァーズ 芝2400m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
ステイゴールド牡7武豊2分27秒8日本
エーカー牡4デットーリUAE
インディジェナスセン8ホワイト63/4香港
直線を向いた時に7、8馬身あった差が、直線で鋭く伸びて。ラスト100mではもう2馬身。ゴール板を測ったように差し切って、単勝2倍の圧倒的な1番人気に応えた。これで、日本で生産された馬の海外G1初勝利となった。日本では善戦はするがG1を勝てないステイゴールドだが、それ以上に香港では大きな成果を残し引退していった



エイシンプレストン

香港マイル 芝1600m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
エイシンプレストン牡4福永祐一1分34秒80日本
エレクトロニックユニコーン牡5フラッド31/4香港
チャイナヴィジット牡4デットーリ3/4UAE




アグネスデジタル

香港カップ 芝2000m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
アグネスデジタル牡4四位洋文2分02秒80日本
トボック牡3デットーリUAE
テールアテール牝4スミヨン
白井寿昭調教師が「香港の馬場は前へ行った馬が残る。先行して競馬をしょう」と言った通りの競馬。1コーナで難なく好位にとりつき、直線に向いても先頭。ゴール前でトボックが差し返してきたが、頭差振り切る



エイシンプレストン

クィーンエリザベス2世C 芝2000m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
エイシンプレストン牡5福永祐一2分02秒5日本
アグネスデジタル牡5四位洋文1/2日本
インディジェナスセン9コーツィー香港
日本勢、夢のワン・ツー。直線残り150m、馬群の真ん中を割って抜け出したアグネスデジタルを、外から末脚を伸ばしてエシンプレストン快勝。海外の国際G1競走で日本調教馬が1、2着を占めたのは初。日本競馬のレベルが高くなった証拠か。



エイシンプレストン

クィーンエリザベス2世C 芝2000m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
エイシンプレストン牡6福永祐一2分03秒8日本
エレガントファッション牝5G.モッセ13/4香港
パオリニ牡6E.ペドロザドイツ
4月27日クイーンエリザベス2世カップ(12頭、G1)、香港のシャティン競馬場で行われ、福永祐一が騎乗した昨年の覇者、エイシンプレストン(6歳牡馬、栗東・北橋修二きゅう舎)が2分3秒8で勝ち、日本調教馬初の海外同一G1連覇を達成。好スタートを切って3番手の好位につけたエイシンプレストンは、最後の直線に向いて馬群の中から力強く抜け出し、鋭い末脚を披露して差し切り、2着のエレガントファッション(香港)に1馬身4分の3差をつけて快勝。一昨年12月の香港マイル、昨年のこのレースに続いて、日本調教馬初の海外G13勝を挙げた。今年のレースは、新型肺炎(SARS)の影響で海外からの出走馬はエイシンプレストンを含めて2頭だった。



シーザリオ

アメリカンオークス 芝2000m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
シーザリオ牝3福永祐一1分59秒03日本
メリョールアインダ牝3J.Velazquez
シンハリーズ牝3G.Gomez11/2
第4回アメリカンオークス(ハリウッドパーク競馬場・芝2000メートル、12頭立て)に挑んだ福永祐一(28)騎乗のシーザリオ(牝3歳、栗東・角居厩舎)が、後続に4馬身差をつける圧勝劇を演じた。日本馬として初めて米GI勝ちを飾るとともに、日米オークス制覇を達成。3歳馬&父内国産馬&クラシックホースによる海外G1制覇も初めてとなる記録ずくめの快挙となった。小回りのハリウッドパーク競馬場で不利といわれる大外13番枠。シーザリオは完ぺきなレースを見せた。好スタートから、道中は絶好の3番手。“タブー”とされる3コーナー手前で先頭に立つと、後続を一気に突き放した。コースレコード1分59秒03で快勝した。このレースは昨年、桜花賞馬ダンスインザムード(武豊騎乗)が挑戦し、2着に敗れている。日本馬の米G1レース制覇は初の快挙。米重賞制覇は1959年にハクチカラがワシントン・バースデーハンディを制して以来46年ぶり。



ハットトリック

香港マイル 芝1600m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
ハットトリック牡4O・ペリエ騎乗1分34秒8日本
ザデュークセン6D.ビードマン11/4
デイヴズベストセン5C.スミヨン1/2
O.ペリエ騎手騎乗の3番人気ハットトリック(牡4、栗東・角居勝彦厩舎)が、後方追走から直線で大外へ持ち出し脚を伸ばすと、先に抜け出した11番人気ザデュークを1.1/4馬身差し切って優勝。勝ちタイムは1分34秒8(良)。さらに1/2馬身差の3着には5番人気デイヴズベストが入った。4番人気アサクサデンエン(牡6、美浦・河野通文厩舎)は、中団から脚を伸ばすも6着に終わった。鞍上のO.ペリエ騎手は、ドックサイダーで制した99年以来、同レース2勝目。管理する角居勝彦調教師は、7月にシーザリオで制したアメリカンオークス(米G1)に続く今年2度目の海外G1制覇となった

ユートピア

ゴドルフィンマイル ダート1600m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
ユートピア牡6武豊騎乗1分35秒8日本
ウィンリヴァーウィン牡7H.カラタス4
ジャックサリヴァンセン5E.エイハーン1/4
日本からドバイ競走に出走した9頭の先陣を切ってゴドルフィンマイルに出走したユートピアは、好位のスタートからスッとポジションを上げ、直線に入る前に堂々先頭。約600mもの長い直線でも余力十分で4馬身差の圧勝。日本馬のドバイダート重賞初Vの瞬間。武豊騎手は「スタートが決められたのが良かった。あとは、ユートピアの力を信じて乗っていました。きょう1日、日本馬がこれに続いてくれればいいね」と振り返ったが、その後、ユートピアの僚馬ハーツクライがシーマクラシックでGI連覇。理想郷の走りが、ジャパンホースを勇気づけた。



ハーツクライ

ドバイシーマクラシック 芝2400m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
ハーツクライ牡5ルメール1分35秒8日本
コリアーヒルセン8D.マッキョウン41/4
ファルスタッフ牡4J.ムルタ11/4南ア
ディープインパクトを破った能力に、偽りはなかった。そして冴える、クリストフ・ルメール騎手の手綱さばき。有馬記念で先行したセンスにも驚かせられたが、ドバイでは何と、スタートから逃げ戦術。直線に入っても、脚色は全く衰えない。人気のウィジャボードをはるか後方に置き、ゴール前では独壇場。2着の英国馬コリアーヒルに4馬身1/4差。後続の13頭に一切付け入るスキを与えなかった。「凄くリラックスしてコンディションも良かった。有馬記念から3カ月。さらに強くなっていた。残り100mで後続のプレッシャーがあったけど、それから凄く伸びてくれた」とルメール。フランス人ジョッキーはオリビエ・ぺリエが日本馬とともに歴史を築いてきたが、ルメールもその仲間入り。橋口調教師は、連れてきた2頭でドバイ・ダブル。「2回ウイナーズサークルで会いましょう」と宣言していた通りの快挙だ。ユートピアが逃げてVなら、ハーツクライも。「自信がなかったらドバイに来てないよ。有馬も充実していたが、もっと強くなるね」と笑顔が止まらない。世界。その中心にハーツクライがいる。仏GI凱旋門賞のプランも浮上しているが、「次はキングジョージ(7月29日、英アスコット、GI、芝2400メートル)に行きたい」と橋口調教師が明言。吉田照哉氏が「ムチを入れず引き離したね。日本のレベルは上がっています」と言えば、ルメールも「今なら世界のどこに出ても通用する」と自信満々。キングジョージや凱旋門賞で、同じく欧州遠征を目指すディープと再び雌雄を決する場面があるかもしれない。日本馬の舞台はワールドワイド。この圧勝なら、外国馬も脱帽するだけだ。



コスモバルク

コスモバルクは、海外初騎乗となった五十嵐冬樹騎手=北海道営所属=を背に、同日午後8時35分(日本時間午後9時35分)発走のメーンの第9レースに出走。得意距離の2000mで、最内1番枠からスタートし、2番手の位置からで抜け出し、ゴールを駆け抜けた。バルクの勝利は、2004年9月の中央競馬のG2「セントライト記念」以来1年8カ月ぶり。これで通算成績は22戦8勝(うち道営5戦3勝)となった。バルクは3歳時、皐月賞とジャパンカップで2着に入ったが、あと一歩のところでGIのタイトルを逃していた。これまで日本国内で調教を受けた馬による海外G1の優勝は今年3月のドバイで開催された「ドバイ・シーマ・クラシック」で勝ったハーツクライなど計10頭いるが、いずれも中央競馬(JRA)所属で、地方所属馬が海外GIを制するのは初の快挙。



デルタブルース

メルボルンカップ 3200m芝
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
デルタブルース牡5岩田康誠3分21秒42日本
ポップロック牡5D.オリヴァー日本
メイビーベターセン4C.マンス4 1/2AUS
オーストラリア競馬の第146回メルボルンカップ(3200m芝、GI)は11月7日、メルボルンのフレミントン競馬場で行われ、日本馬のデルタブルース(5歳牡馬、岩田康誠騎乗、角居勝彦厩舎)が優勝し、賞金300万豪ドル(約2億8000万円)を獲得。2着には同厩舎のポップロック(5歳牡馬、D・オリヴァー騎乗)が入り、日本馬が上位を独占した。日本調教馬はこれで海外GI15勝目(12頭目)。同レースをオーストラリアとニュージーランド以外の馬が勝ったのは史上3頭目。岩田騎手は海外GI初制覇で、日本人騎手がオーストラリアGIを勝ったのも初めて。好スタートから終始、先行したデルタブルースは、最後の直線に入り早めに先頭に立つと、追い上げてきたポップロックとの競り合いを制した。デルタブルースは2004年に3000mの菊花賞(GI)に勝つなど芝の長距離を得意としていた。



アドマイヤムーン

ドバイデューティフリー 1777m芝
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
アドマイヤムーン牡4武豊1分47秒94日本
Linngari(リンガリ)牡5K・シェア0.5南アフリカ
ダイワメジャー牡6安藤勝己4.25日本
UAEドバイ・ナドアルシバ競馬場では、アジアマイルチャレンジ第2戦・ドバイデューティフリー(GI・芝1777m)が行われ、日本からはダイワメジャー(美浦・上原厩舎、牡6、安藤勝騎手)とアドマイヤムーン(栗東・松田博厩舎、牡4、武豊騎手)の2頭が出走した。英国の大手ブックメーカーでは、日本馬2頭とラヴァマン(米国、せん6)が上位人気に支持されていた。レースは、ダイワメジャーが好スタートを切り、好位置の外目を追走。アドマイヤムーンもまずまずのスタートから中団外目をでレースを進め、追撃の機会を伺った。直線では、2番手に付けていたラヴァマンをダイワメジャーが交わし、その外からアドマイヤムーンが追い込む展開。直線半ばで一気に先頭に立ったアドマイヤムーンは、ゴール前でリンガリ(南アフリカ、牡5)の強襲を受けるも、およそ半馬身退けて勝利した。勝ちタイムは1分47秒94。昨年のクラシック戦線と天皇賞、香港カップで惜敗を続けたアドマイヤムーンは嬉しいGI初勝利。日本勢のドバイデューティフリー勝利も初めてのこと。2着リンガリ。ダイワメジャーも3着に健闘した。ラヴァマンは最下位16着。



シャドウゲイト

星・クランジ競馬場で行われたシンガポール航空国際C(3歳上、星G1・芝2000m)は、田中勝春騎手騎乗のシャドウゲイト(牡5、美浦・加藤征弘厩舎)が、4番手追走から直線で抜け出し、先行策から連覇を狙ったコスモバルクを1.1/4馬身差抑えて優勝。日本馬2頭でワンツーフィニッシュを飾った。勝ちタイムは2分04秒0(稍重)。さらに短頭差の3着にはドクターディーノ Doctor Dinoが入った。 なお、日本馬による海外G1ワンツーは、02年クイーンエリザベス2世C(香G1、1着エイシンプレストン、2着アグネスデジタル)、06年メルボルンC(豪G1、1着デルタブルース、2着ポップロック)に続く3度目となる。



ヴィクトワールピサ

ドバイワールドカップ 2000m芝
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
ヴィクトワールピサ牡4M・デムーロ2:05.94日本
トランセンド牡5藤田伸二0.5日本
Monterosso(モンテロッソ)牡4M・バルザロナ0.25-
競馬のドバイ国際競走は26日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのメイダン競馬場で行われ、メーンレースのドバイ・ワールドカップ(GI、全天候型馬場2000メートル)で日本から参戦したヴィクトワールピサ(牡4歳、栗東・角居勝彦厩舎=きゅうしゃ)が2分5秒94秒で優勝し、賞金600万ドル(約4億8600万円)を獲得した。ミルコ・デムーロ騎手(イタリア)が騎乗した。藤田伸二騎手のトランセンド(牡5歳、栗東・安田隆行厩舎)が半馬身差の2着で続き、日本馬がワンツーフィニッシュを飾った。計14頭が出走し、ブエナビスタ(牝5歳、栗東・松田博資厩舎)は8着。同レースは世界最高の賞金総額1000万ドル(約8億1000万円)で1996年の創設以来、日本馬の優勝は初めて。これまでは2001年にトゥザヴィクトリーが2着に入ったのが最高だった。ヴィクトワールピサは昨年、国内で皐月(さつき)賞と有馬記念を制した。フランスの凱旋(がいせん)門賞では7着。ドバイ・シーマクラシック(GI、芝2410メートル)では、ルーラーシップ(牡4歳、角居厩舎)が6着だった。



ルーラーシップ

クインエリザベス二世カップ 2000m芝
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
ルーラーシップ牡5U・リスポリ2:02.38日本
Thumbs Up(サムズアップ)-B・プレブル3.75香港
Sweet Orance(スウィートオレンジ)-W・マーウィング0.25香港
待望のGI初制覇を飾った地は香港だった。日本代表として参戦したルーラーシップは好スタートから3番手のインという絶好のポジションを確保。抜群の手応えのまま3コーナーを通過すると、4コーナーではイタリア人の鞍上・リスポリ騎手に導かれて、ポッカリとあいた内ラチ沿いを突いた。迎えた直線はまさに“独り舞台”。早々と先頭を奪ってからは、懸命に追いすがる各国の猛者たちをグングンと引き離す一方だった。最後は2着サムザップに3馬身3/4の差をつける圧勝劇。“日本にルーラーシップあり”を印象づける圧巻のパフォーマンスを披露した。ゴールの瞬間、ド派手なガッツポーズが飛んだリスポリ騎手は「緩いペースのなか、いいポジションが取れた。道中ロスなくまわれて、4コーナーでここしかないと思い、インを突いた。いい競馬ができたよ」と満面の笑みでレースを振り返った。管理する角居勝彦調教師は「直線で馬が抜け出した時に、勝利を確信しました。今後については、宝塚記念もありますが、大事に使っていきたい」とコメントした。ルーラーシップは父キングカメハメハ、母エアグルーヴ、母の父トニービンという血統。通算成績16戦8勝。重賞は10年の鳴尾記念(GIII)、11年の日経新春杯(GII)、金鯱賞(GII)、アメリカJCC(GII)に続く5勝目。GI初勝利。日本調教馬の同レース勝利は02、03年と連覇したエイシンプレストン以来3度目。



オルフェーヴル

フォワ賞 芝2400m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
オルフェーヴル牡4C・スミヨン2分34秒26日本
Meandre(ミアンドル)牡4M・ギュイヨン1
Joshua Tree(ジョシュアツリー)牡5L・デットーリクビ
最後方の内側を進んだオルフェーヴルは、最後の直線で最内から末脚を伸ばし、2着のミアンドル(フランス)に1馬身差をつけて快勝した。池江厩舎のもう1頭の日本馬でクラストゥス騎乗のアヴェンティーノ(8歳牡馬)は逃げて最下位の5着だった。 オルフェーヴルが日本馬として初制覇を目指す世界最高峰レースの凱旋門賞は、10月7日にフォワ賞と同じコース、距離で争われる



ロードカナロア

香港スプリント 芝1200m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
ロードカナロア牡4岩田康誠1分08秒50日本
Cerise Cherry(セリスチェリー)セン7R・フォウリー2.1/2香港
Captain Sweet(キャプテンスイート)セン5J・マクドナルドハナ香港
香港・シャティン競馬場で行われた香港スプリント(3歳上、香G1・芝1200m、12頭立て)に、日本からロードカナロア(牡4、栗東・安田隆行厩舎、岩田康誠騎手)、カレンチャン(牝5、栗東・安田隆行厩舎、池添謙一騎手)が出走。道中好位につけたロードカナロアが直線に入り満を持して先頭に立つと脚を伸ばしそのまま後続との差を広げて優勝。勝ち時計は1分08秒50。2.1/2馬身差の2着には地元香港のセリースチェリー Cerise Cherry(セン7、香港・D.クルーズ厩舎)が入り、春の安田記念、秋のスプリンターズSでは日本に遠征していたラッキーナインは5着。僚馬カレンチャンはスタートで後手を踏んでしまい後方からの競馬に。最後の直線では前との差を詰めるも7着に終わっている。香港国際競走としては2005年のハットトリック(香港マイル)以来の優勝、香港スプリントとしては今回の2頭含め14頭が挑戦し、日本馬が唯一勝つことが出来ていなかったレースを初めて制した。



キズナ

ニエル賞 芝2400m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
キズナ牡3武 豊2分37秒64日本
Ruler of the World(ルーラーオブザワールド)牡3R・ムーア短頭アイルランド
Ocovango(オコヴァンゴ)牡3O・ペリエ0.75
15日の日本時間21時30分、フランス・ロンシャン競馬場で凱旋門賞の前哨戦・ニエル賞(3歳・GII・芝2400m・1着賞金7万4100ユーロ・10頭立て)が行われ、日本から今年のダービー馬キズナ(牡3、栗東・佐々木晶三厩舎)が、武豊騎手を背にフランスでの初めての実戦を迎え、堂々の優勝を果たした。10頭立ての3番枠からスタートしたキズナは、レース序盤は後方から3番手、中盤は後方から2番手で運ぶ形。道中は欧州競馬特有の超スローペースになったが、ロンシャン独特の大きな4コーナーを通過する辺りでも楽な手応えのままで最後の直線を迎え、馬場の外へ持ち出されたキズナは残り200m辺りで先行各馬を捕らえる勢いで外から伸び脚を発揮しゴール前では堂々先頭へ。ゴールの瞬間は、間を割るように突っ込んだイギリスダービー(GI)馬のルーラーオブザワールド(牡3、愛・A.オブライエン厩舎)と鼻面を揃えての入線になったが、武豊騎手騎乗のキズナがこれを制して見事に優勝した。勝ちタイムは2分37秒6(重)。 勝ったキズナは、父ディープインパクト、母キャットクイル、その父Storm Catという血統。今年の5月26日、昨年暮れから手綱を任されている武豊騎手とのコンビで全国の競馬ファンを熱狂させた会心の日本ダービーVで初GI制覇を果たし、「次は世界へ」の合言葉に凱旋門賞参戦を即決。迎えたフランス遠征の初戦は、地元欧州勢の強豪と合いまみえる形、さらには自身初のロンシャンの馬場を確認する目的もあり、陣営にとっても目先の勝利が全てではなかったが、10月6日(日)に行われる本番・凱旋門賞(GI・ロンシャン・芝2400m)へ向けて武豊&キズナ、そして管理する佐々木晶三調教師ともども『チーム絆』は「最高の結果」を出してみせ、フランスでの初陣を見事に制した。



オルフェーヴル

フォワ賞 芝2400m
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
オルフェーヴル牡5C・スミヨン2分41秒47日本
Very Nice Name(ベリーナイスネーム)牡4O・ペリエ
Pirika(ピリカ)牝5P・ブド0.75アイルランド
2011年の中央競馬の三冠馬で、G1・5勝のオルフェーヴル(5歳牡馬、池江泰寿厩舎)が快勝し、昨年に続く2連覇を遂げた。オルフェーヴルは3番手につけて、最後の直線で楽々と抜け出し優勝した。オルフェーヴルとキズナが日本馬として初優勝を目指す凱旋門賞はフォワ賞、ニエル賞と同じコース、距離で争われる。



ロードカナロア

香港スプリント 芝1200
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
ロードカナロア牝5R・ムーア1分08秒25日本
Sole Power(ソールパワー)せん6J・ムルタGB
Frederick Engels(フレデリックエンゲルズ)せん4Z・パートン1/4GB




ジェンティルドンナ

ドバイシーマクラシック 2,410m(芝)
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
ジェンティルドンナ牝5R・ムーア2分27秒25日本
シリュスデゼーグルせん8C・スミヨン1 1/2
アンビヴァレント牝5A.アッゼニ1/2
レースは、2頭ともに好スタートを切って、デニムアンドルビーが先手を取り、ジェンティルドンナは控えようとしたところで外に逸走してしまった内の馬に接触されるも、特に影響はなさそうな様子で中団のインにつける。直線に向いてデニムアンドルビーが後続に交わされ、その後ろにいたジェンティルドンナが行き場をなくしてしまうが、鞍上のR.ムーア騎手が他馬を押しのける形で外に出して進路を確保。そこから伸び脚を見せて抜け出し、2着に終わった昨年の雪辱を果たした。勝ちタイムは2分27秒25。



ジャスタウェイ

ドバイデューティフリー 1,800m(芝)
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
ジャスタウェイ牡5福永祐一1分45秒52日本
Vercinegetorix(ヴェルキンゲトリクス)牡4C・スミヨン6 1/4GB
Dank(ダンク)牝5R・ムーア1 3/4GB
レースは、トウケイヘイローが引っ張り、ロゴタイプが先団の外、ジャスタウェイは後ろから3番手辺りにつけるという展開。直線に向いてトウケイヘイローが後続に並ばれ苦しくなったところで、一番外に出したジャスタウェイが一気に先頭に躍り出ると、あとは後続を突き放す一方。1分45秒52と、従来のレコードを2秒以上更新しての圧勝で海外GI制覇を果たした。



リアルインパクト

ジョージライダーS 1,500m(芝)
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
リアルインパクト牡7マクドナルド1分28秒29日本
クライテリオン牡4ウィリアムス短頭
カーマデック牡3R・ムーア2
スタートは五分に出たが、じわっと加速したリアルインパクトがハナを切り、2、3番手にコズミックエンデヴァー、イッツサムワットと続く。ワールドエースは後方3番手からの競馬となった。リアルインパクトは1馬身ほどのリードを保ったまま直線へ。後続が続々と迫ってくるが、マイペースで運んだリアルインパクトは持ち前のしぶとさを生かして、渾身の粘りをみせる。ゴール前はただ1頭、食い下がる内クライテリオンとの壮絶な叩き合いとなったが、最後までたぐいまれな勝負根性を発揮して押し切り、海外初挑戦でうれしい2度目のGI制覇を成し遂げた。短頭差2着がクライテリオン。2馬身差の3着がカーマデックだった。ワールドエースは後方追走から外に出したものの伸び切れず、リアルインパクトから5馬身ほど離れた11着に敗れている。日本馬2頭は今後、順調ならドンカスターマイル(4月4日、ロイヤルランドウィック競馬場、GI、芝1600メートル)に向かう予定



モーリス

香港マイル 1600m(芝)
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
モーリス牡4R・ムーア1:33.92日本
Giant Treasure(ジャイアントトレジャー)セ4C・スミヨン3/4香港
Able Friend(エイブルフレンド)セ6J・モレイラ1/4香港
日香最強マイラーの対決は春秋マイルGIを制したモーリスが地元のエイブルフレンドを完封。2着ジャイアントトレジャーに3/4馬身差をつけて無敗の6連勝で今年のシーズンを終えた。この日は馬だけでなく、ムーアVSモレイラの対決にも注目が集まった。香港ヴァーズをムーア(ハイランドリール)が制すると、続く香港スプリントはモレイラ(ペニアフォビア)が優勝。マイルも両雄の一騎打ちムードとなり直線で2頭が馬体を並べると、世界トップクラスの競演にファンは大声援を送った。結局は前を譲らなかったモーリスがラスト100メートルでライバルを蹴散らし、アウェーで勝利した。この勝利は今シーズンで唯一、海外GI制覇(豪ジョージライダーS)を成し遂げた堀調教師の神髄を見せた一戦でもあった。調教パターンとしては型破りのレース2日前追い切り(今回は金曜)も、日本が誇るトップ厩舎では一つの“セオリー”。堀調教師は「香港はこれで5回目になるが、いつも通りの金曜追い。いい状態で送り出せた。結果を残すのは大変だけど、馬とスタッフには感謝したい」と大一番にも泰然自若。「馬がとてもリラックスしていた。マイルCS(1着)でトップクラスのマイラーと把握していたし、ラスト1ハロンはいい脚を使ってくれた」とライバル撃破を当然とばかりに振り返るムーア。日本が誇る“黄金コンビ”は異国の地・香港でもその実力を世界にアピールした。「遠征しても馬は日本と変わらない様子でした。この後は少し休みを取って次走を考えます」と吉田和美オーナーは来シーズンの海外遠征も視野に入れる。モーリスはいったいどこまで進化していくのだろうか。



エイシンヒカリ

香港カップ 2000m(芝)
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
エイシンヒカリ牡4R・ムーア2:00.60日本
ヌーヴォレコルト牝4R・ムーア1日本
Able Friend(エイブルフレンド)セ6N・カラン1・1/4香港
世界のユタカが香港で魅せた!香港国際競走が13日にシャティン競馬場で行われ、メーンの香港カップ(G1、芝2000メートル、1着賞金1425万香港ドル=約2億2240万円)は、武豊騎乗のエイシンヒカリ(牡4=坂口)が逃げ切り勝ち。デビュー11戦目でG1初制覇を飾った。同レースは2着にもヌーヴォレコルトが入り、日本馬が史上初となるワン・ツーを決めた。 エイシンヒカリが先頭でゴールした瞬間、武豊は左手で小さくガッツポーズを決めながら穏やかな笑みを浮かべた。これまでに数え切れないほどの記録を打ち立ててきた競馬界の“レジェンド”にとっても、香港カップの優勝は初。「やっと勝てた。うれしいね」。異国の地でも巻き起こった“ユタカ・コール”に手を振って応えた



リアルスティール

ドバイターフ 芝1800メートル
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
リアルスティール牡4R・ムーア1:47.13日本
Euro Charline(ユーロチャーリン)牡3L・デットーリ1/2UAE
Tryster(トライスター)牡3W・ビュイック2UAE
G1ドバイターフ(芝1800メートル)は、日本から出走したリアルスティール(牡4=矢作)が圧勝した。管理する矢作師は海外G1初制覇となった。日本馬の海外G1での通算勝利は29勝目。新コンビのムーアが能力を最大限に引き出した。道中は好位3番手集団の外を追走。抜群の手応えで直線に向くと、ゴール目掛けてさらに加速。残り300メートルで先頭に立つと、追いすがるユーロシャーリーンを振り切った。3歳時はクラシック候補と目されながら無冠に終わったが、はるか中東の地でうっぷんを晴らす快勝劇。矢作師は「ダービーを勝ったよりうれしい。もう言葉にならない」と涙声で喜んだ。



ラニ

UAEダービー ダート1900メートル
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
ラニ牡3武豊1:58.41日本
Polar River牡3P・ドブス3/4日本
ユウチェンジ牡3J.モレイラクビ日本
武豊騎手騎乗のラニ(牡3歳、栗東・松永幹厩舎)がゴール前での叩き合いを制して、海外のG2で重賞初勝利を飾った。ゴールの瞬間、右手の人さし指を突き上げた武豊騎手は「スタートでつまずいて後方からになったが、道中の手応えは良かった。直線はなかなか(前の馬を)抜けなかったが、最後は差し切ってくれた」と声を弾ませた。 同馬を管理する松永幹夫調教師は「よく頑張ってくれた。スタートでつまずいたので心配したが、差し切ってくれた。(武豊)ジョッキーがうまく乗ってくれた」と笑顔を見せた。今後は、目標に掲げる米G1のケンタッキーダービー(5月7日、チャーチルダウンズ競馬場)へ向かう予定だ。



マカヒキ

ニエル賞 2,400m 
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
牡3C.ルメール2:35.84日本
ミッドターム牡3V.シュミノークビ
ドーハドリーム牡3G.ブノワ短アタマ
ダービー馬マカヒキが、世界デビュー戦を勝利で飾った。本番の凱旋門賞(10月2日・シャンティイ)と同じ舞台で行われた3歳馬による前哨戦へ、ルメールを背に出走。5頭立ての少頭数、強敵不在のメンバー構成だったとはいえ、まずは3週後の大舞台へ向けて好発進を決めた。同レースの日本馬の勝利は、13年キズナに続く2頭目。これが第83代日本ダービー馬の実力だ。マカヒキが世界デビュー戦で、着差以上の強さを感じさせる完勝。本番に大きく弾みをつけた。3歳馬同士で行われた凱旋門賞の前哨戦は、欧州馬にG1ホースが不在どころか、重賞ウイナーも1頭だけというメンバー構成。くみしやすい相手だったことは間違いない。それでも不慣れな海外初戦、本番と同じコースできっちりと結果を出した意味は非常に大きい。レースは英G3勝ち馬ミッドタームが引っ張る展開。1頭ずつが縦に並ぶきれいな隊列の3番手を進んだ。緩いペースのなかで、しっかりと折り合いをつけ、最後の直線では外へ。ゴール前30〜50メートルで粘る内の2頭をきっちりかわし、首差をつけてVゴールを駆け抜けた。昨年から拠点を日本に移した鞍上のルメールにとっては、大きな意味を持つ勝利だ。移籍先の日本ダービー馬で挑んだ母国での重賞戦。いわば“凱旋レース”で完勝を決めてみせた。「日本の馬でフランスのビッグレースを勝ちたい」−。自身もいまだなし得ていない凱旋門賞制覇の夢に大きく前進したことになる。金子真人オーナーにとっては、06年に3位入線→失格となったマカヒキの父ディープインパクト以来となる凱旋門賞挑戦。屈辱を味わったあの年のリベンジを、という思いは強いはずだ。3月のドバイシーマクラシックで昨年のダービー馬ドゥラメンテ(2着)の前に立ちはだかり、その後もG1・2連勝、目下6連勝中の英国馬ポストポンド、G1馬8頭が集い、10日に行われた愛チャンピオンSで直線一気を決めた今年の仏ダービー馬アルマンゾル、さらにC・デムーロが駆る今年の仏オークス馬で8戦8勝のラクレソニエール…本番では強敵が待ち受ける。「この馬はどんどん良くなっている。ここを使ってさらに良くなるでしょう」とルメールは胸を張った。海外2戦目であらゆる面での上積みが見込める3週後の一戦へ、日本競馬界の大きな期待を背負いマカヒキが歩を進める。



サトノクラウン

香港ヴァーズ 2400m芝
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
サトノクラウン牡5J・モレイラ2:26.22日本
Highland Reel(ハイランドリール)牡4R・ムーア0.5
One Foot in Heaven(ワンフットインヘヴン)牡4C・スミヨン6.75
香港ヴァーズ(芝2400メートル)は、日本から参戦した、ジョアン・モレイラ騎手騎乗のサトノクラウン(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)が、圧倒的1番人気に推されたハイランドリール(アイルランド)をゴール寸前で差し切って優勝。海外で待望のG1初制覇を果たした。日本調教馬の香港ヴァーズ制覇は2001年のステイゴールド以来。大きく離れた3着はフランスのワンフットインヘヴン。日本のヌーヴォレコルト(岩田康誠騎手騎乗)は直線外から末脚を伸ばして、勝ち馬から約8馬身差の4着、武豊騎手騎乗のスマートレイアーは4角で仕掛け気味に動いて伸び切れずも5着に踏ん張った。



モーリス

香港カップ 2000m芝
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
モーリス牡5R・ムーア2:00.95日本
Secret Weapon(シークレットウェポン)-Z・パートン3香港
ステファノス牡5C・スミヨン0.5日本
香港カップ(芝2000メートル)は、ライアン・ムーア騎手騎乗の日本のモーリス(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)が直線で内から鋭く伸びて、後続を突き放して完勝。自身のラストランをG1・6勝目で飾り、昨年のマイルに続いて、2年連続の香港国際競走制覇を果たした。2着は地元・香港のシークレットウェポン。3着争いは日本馬同士となったが、ステファノス(牡5歳、栗東・藤原英昭厩舎)がラブリーデイ(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)を抑えて3着となった。モーリスと同じくラストランとなった日本のエイシンヒカリ(牡5歳、栗東・坂口正則厩舎)はスタート直後に先手を奪うと、武豊騎手がハイピッチで飛ばしていったが、直線で力尽きて10着。エリザベス女王杯の覇者、クイーンズリング(牝4歳、栗東・吉村圭司厩舎)は9着に終わった。



ヴィブロス

ドバイターフ 芝1800メートル
着順馬名性齢騎手タイム・着差国名
ヴィブロス牝4J・モレイラ1:50.20日本
Heshem(エシェム)牡4G・ブノワ1/2
Ribchester(リブチェスター)牡4W・ビュイック1/2
日本馬が連覇を飾った。“大魔神”佐々木主浩オーナーの所有馬で、昨年の秋華賞馬ヴィブロス(牝4、友道)が海外初挑戦で、G1・2勝目を挙げた。16年リアルスティールに続く、日本馬による連覇となった。 日本の牝馬ではこのレース初優勝の偉業だ。道中は後方3、4番手からの競馬。直線手前から早めにモレイラ騎手の手は動いていたが、先に抜け出していたリブチェスター、エシェムの外から一気に突き抜けた。 佐々木オーナーは「最後にかけようという作戦だった。(直線は)もう騒いでいました。よく覚えてない。祈るような感じで見ていた。友道先生の夢だったし、本当にうれしい」と興奮気味だった。今年1月。友道師は毎週のようにヴィブロスの成長を実感していた。「放牧先で馬を見るたびに大きくなってて。今年の秋にアメリカに行く予定だったけど、これなら早めてもいいかな」。デビュー当初、馬体重は410キロ前後。それが昨冬の放牧で約40キロも増量し、調教に手加減の必要がないほど、たくましさを増した。14年ジャスタウェイ、16年リアルスティールと同じ、中山記念(5着)をたたいての参戦。「思い描いた通りの調整ができた」。その走りに世界も驚いた。所有馬が初めて海外レースに臨んだ同オーナーは夢見心地だった。参加するだけではなく、最高の結果もくれた。今秋、半兄シュヴァルグランはBCターフに参戦予定。今後について友道師はBCフィリー&メアターフ(G1、芝2000メートル)が選択肢の1つであることを明言した。「馬のことは先生に任せている。調教師にもいろいろな夢がある。僕はそれに協力するだけ」。さらに夢を広げてくれる馬が現れた。








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