酒


酒呑み始め

 最初に酒を飲んだのは子供の頃。よく大人たちが宴会していると、子供に「ちょっと飲んでみろよ」と、ビールを差し出されて、ちょっと口をつけてみると、苦くて咳き込んだりするのを笑われるといった感じで飲んだような・・・大人はになぜ、こんな苦い飲み物をウマそうに飲んでいるのだろうと不思議に思ったものだ。絶対に大人になっても飲まないんではないかと、思ったけど・・・実際に、今になると毎晩のように飲んでいる。不思議なものである。
 酒を飲み始めたのは、昔の事なのであまり覚えていないが、当時の日記を読んでみると、1983年5月3日(大学1年)の時のようだ。その日、高校の時の同窓会があり、その時のようだけど、その数ヵ月前に、飲んだような曖昧な記憶もある。日記には『酒を飲む。BINGOというゲームをする。酒(水割り)は一杯半からドンドンと飲むようになり、味がわからなくなり、3杯ぐらい飲んだと思う』と、書いてあった。その十日後の5月14日、大学のアーチェリー部の新入部員歓迎コンパがあった。かなり新入部員は飲まされる。OB(大学を卒業した先輩)や先輩から酒を勧められたら、焼酎を何も割らずに飲まなければならない。広い座敷に、大学を卒業したOB、とにかく新入部員からみるとおじさん連中なので、数十人並んでいると圧倒される。部の顧問の先生が「何でアーチェリーに洋弓を使うのかね。外国かぶれだ」と暴言。先輩からは「OBを先に回れ(挨拶してこい)」と言われたり、ある先輩からニコニコされながら指でコイコイと呼ばれ、コップ半分ぐらい飲まされる。トイレに行くと、酔い潰れた新入部員が多くいた。吐きたいと言う者1名、すでに吐いた者1名、ボーッとしていたかと思うとついに吐き出す者1名、用をすますどころではない。とにかく、これが沢山飲んだ記憶だが、どれだけ飲んだのか、忘れてしまった。もう少しで潰れそうになったが…


酒面白物語

『ビール』
 風呂上がりのビールは最高。飲んだ後に「ぷぁーっ」と言えれば、幸せ気分。そして、枝豆があれば言うことなし。真夏に汗かきながら、ビアガーデンもいいが。

『バーボン』
 ハーパーが好きである。それにピーナツがあれば、ぐびぐびと天国に行ける。ショットバーで、一人、ハーパーを飲みながら、哲学している。ふと、横を見ると、綺麗な女性がいる。店のマスターに、「あの娘にも、一杯つくってくれ」と気障に言う。グラスの液が深夜までゆれている。

『ワイン』
 料理の調味料代わり。旨い肉料理にワインで乾杯。本命竜馬は魚が嫌いなので、肉でワインを味わうのである。

『日本酒』
 日本の酒である。まずラベルで楽しむのである。郷土独特のデザインを楽しんでから、一杯飲むのである。松竹梅、鶴亀とおめでたそうな漢字が並ぶ。それだけで、いい気分。

『カクテル』
 飲みやすいので、あんまりガバガバ飲むと、救急車を呼ぶことになる。本命竜馬もカクテルを飲むが、仲間達と飲むと、山の手線ゲームの罰ゲームの一気大会になり、とんでもない目にあう。本当は、ゆっくり飲みたいのだが。

『焼酎』
 飲むではなく、呑むである。お湯割りがいい。鹿児島はイモ焼酎であるが、『白波』が最高にうまい。大学のコンパはこれで一気呑みして、男を見せるのである。


酒面白物語

 夜には大名行列がやってくる。酒を飲む人達で、今まで俺が出会ったおもしろい人達を書いてみよう。まず、金を少しでも、ちょろまかす居酒屋かあった。そこで働いていた中国人は、客のことを「これ」と呼んでいた。その子は日本語が一級だそうだ。しかもカラオケはうまくない。日本語なのに中国語になってしまう。お次は、金払いの事ですぐに店員と喧嘩する警察官がいたり、歌舞伎町全店制覇をもくろんでいる風俗好きな人、冬でもTシャツ姿の男がいたり、「いま、銀行強盗をすれば新聞に載せてやる」という某新聞社のハゲ次長がいたり、唄うヤンキーおばちゃんもいたり、個性的な人達。その中で俺も飲んでいる。頭を柔軟にしないと彼らの会話にもついてゆけない。だから、飲む。夜明けまで。朝日が登り、二日酔いの悪夢。それでも、また夜がくれば、アルコールの誘いが・・・


酒びたり

鮭(シャケ)は名前からしてサケである。だからと言って日本酒みたいな味がするとは限らない。肉が淡紅色しているせいか、他の魚達からも「もう酔って赤くなっているのか」と言われている。


親父の小言


居酒屋によく張り出されている紙に書いている言葉を書き移してみました。中々、味のある言葉。本当に『親の小言と冷酒は後で効く』と思う。酒を飲みながら一言、一言を噛みしめて読むと味わい深い

火は粗末にするな
人には腹を立てるな
恩は遠くから返せ
人には馬鹿にされていろ
年忌法事は怠るな
家事には精を出せ
働いて儲けて使え
人には貸してやれ
女房は早くもて
ばくちは打つな
大めしは喰うな
世話やきにこるな
火事は覚悟しておけ
戸締まりに気をつけろ
拾は届け身につけるな
何事も身分相応にしろ
神仏はよく拝め
人の苦労は助けてやれ
大聖寺暁仙僧上為
朝はきげんよくしろ
風吹きに遠出をするな
年寄りはいたわれ
子の云うことは八九きくな
初心忘れる勿れ
借りては使うな
不幸は言うべ可らず
難渋は人にほどこせ
義理は欠くな
大酒は飲むな
判事はきつく断れ
貧乏は苦にするな
水は絶やさぬようにしろ
怪我と災は恥と思へ
小高ものは値切るな
産前産後大切にしろ
病気は仰山しろ
家内は笑うて封せ
一家繁栄胎之
さりとて墓に着物は着せられず




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