現 代 の 子 育 て に み る 親 論



 人間の子育てはお粗末このうえない。
 命がけで育てるどころか、うっかり車内に赤ん坊を置いているのを忘れて、パチンコしていて死なせてしまったケースも多い。
 生む重要性よりも、出来ちゃってから後の子とを考えない無責任な親が多い。
 その例に食事。
 現在の生活習慣は夜型が多く、子育てに決して良い環境とは言えない。
 親は夜遅くまで働き、家を空け、子供はその犠牲になっている。
 食事は大概、出来合いの物でペットの飼育並み。
 お袋の味というより、お店の味で子供は育ってゆく。
 親の有り難みは、教育・生きてゆく知恵ではなく、金銭上のつながりで結ばれている。
 そもそも、学校給食の献立表が家庭に配布されていると思うが、この表は「そうか、今日はこんな物を食べているのか」と、親を関心させるものではない。
 この献立表を見て、今日の夕食の献立を考えさせるモノではないだろうか。
 が、料理を満足にできない親は、店のもので間に合わせる。
 忙しいからと言っても、自分の子供の事ではないか。
 また、一般的に言って、親は過保護すぎる。
 子供が失敗しないように、気遣う。
 失敗は成功のもとという考えを考えようとせず、否定する。
 逆境を乗り越えられる強い精神力を養う事も、子育ての一貫である。
 服装の乱れは心の乱れを呼び、非行に走る。
 家庭の躾を、学校に求めた責任転換も、甚だしい。
 可愛がるだけの子育ても、子供はゲームのキャラクターではないので、うまく育つとは思えない。
 しかも、親の都合の悪い時に叱るのも、おかしい。
 子供は親のオモチャではない。
 だいたい子供の模範とならないといけない親が、礼儀・常識を知らないでは、子育てどころの話しではない。
 今、俺自信の事を考えると、俺は親から何を学んだだろうか。
 郷里を離れ、親と離ればなれになって初めてわかる親の有り難みである。
 真実の愛は厳しさにある。



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