人間のレベルによって、ランク付けがはじまった。
人間の価値決める高度な試験により、上級・中級・下級人間の三段階にわけ、下級人間は医学の発達の為に人間モルモットに使用されたり、人口調整の為に廃棄処理されたりした。
又、過激な視聴率競争の為、テレビで下級人間を拷問したり、過激な殺人シーンに使ったりした。
高度な試験は、老若男女問わず、赤ん坊なら赤ん坊のレベルに合わせて問題作成された。
中には政治家の息子を上級人間にしょうと、金にモノを言わせて合格させ、字すらまともに書けない人間が上級人間になったりした。
又、スポーツ選手の臓器が欲しい為に、本来なら上級人間になれるのに下級人間にされ、臓器の隅々まで売買さける事も少なくなかった。
エイズ、伝染病患者、寝たきり老人等の人類繁栄の害に成り得る患者は即、無試験で下級人間とされた。
これは膨大なる試験数、年齢別による細分化される試験制作費による莫大な税金歳出から、世間一般の風当たりが強くなり、いずれ子孫を残せない性的不能者も無試験で下級人間に決定されていった。
また官僚の天下りから試験制作局長等の人事問題も起こったが、いつのまにかに、うやむやになった。
一部の指導者により、若くて可愛い女の子を下級人間にして、性欲のはけ口にもしていた。
また死体愛好家は国から新鮮な死体を仕入れ、快楽を貪り、国はその資金を財源の一部にした。
下級人間になった者でも、特別処置として、平気で無差別凶悪犯罪を行える少年達は、下級人間処理班という国の特殊任務につき、命は保証された。
死体がゴミ捨て場に転がり、カラス、禿げ鷹が舞っている状況も珍しくはなかった。
街は死臭に覆われ、犯罪が謳歌する。
ある一面では上級人間による芸術・文化が栄えていったが、下級人間のヤケクソのテロ暴動により混乱する。
無茶苦茶な宗教により、また多数の人間が餌食となる。
命の尊さまでもが麻痺していく。
俺はこんな世界から逃げ出す事にする。
ちなみにその試験問題を入手する事が出来たが、ここで公開するわけにはいかない。俺が皆に教える事により平均点が上がり、俺までもが下級人間にされちまうからだ。
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