夜中の眠りの祭り


コップの中に入れてある入れ歯がカパカパと音を立てて笑い出した

夜中の眠りの祭りが始まったのだ

部屋の中には老人がグッスリと寝ている

永眠の予行練習するように

箪笥の引き出しが交互に開き、虹の旋律を奏でる

電話の受話器の指揮に併せて

テレビのスィッチが自動的に付き、砂の嵐の伴奏

老人が早朝、目覚めるまで

孤独の布団に星々の輝きがキラキラきらめく

老人が夢からさめるまで







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