2001年の詩集『始発』



夫婦喧嘩


少しの心のズレ

大人げないと思いながら

声を張り上げていた

別に誰が悪いとかではない

ほんの少しの心のズレ

気にならない素振りをしても

気になる

背中に聞こえる

寂しい水道の音

俺の茶碗を洗っているのだろうか・・・


世界遺産


まだ行ったことのない土地に

新鮮な空気が流れてくる

写真の中から漂ってくる異国の匂い

壮大な時間の刻みに

壊れかけた遺跡から

古代の賑わいが伝わってくる

太古からの記憶は

人々は何かを伝えようと息づいている



人生観


形あるものは すぐに壊れる

数えられるものは すぐに無くなる

消えるものに価値を求めたら

消えた時の寂しさは はかりしれない

それよりは 無形な物に価値を

見い出せたら どんなに幸せだろう







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