乱れ撃ち傑作コント


このコントは、言論自由により現実の認識を通して文化社会の歪みを批判教育し高等表現の蓄積によって美的価値の集大成結果である。

コントのタイトル(読みたいコントをクリックて下さい)
穴があったら入りたい 飲酒運転 料理天国 死刑執行 動物園 記念日 ちきしょう 自分の殻 恋し恋しの千鶴ちゃん 邪魔者 釣り 幽霊屋敷 砂浜の血 陸酔い 催眠術 チャンチャン その1 チャンチャン その2  奇形児 勇敢な俺 約束 守護神 過疎 足音 無題 言い訳 純情告白青春記 交通事故 クリスマス・イブ 黒服の旅人 英語の夢 火あぶり スパゲッティー 餌食 えいかいワーッ 下級そば 逃げるなー 変わったプレゼント 前の方が・・・ その1 前の方が・・・ その2 前の方が・・ その3 前の方が・・・ 最終回 ブス子の悩み ブス子への誕生プレゼント 恋人からの質問 鏡よ鏡 混浴の露天風呂 ブス子の自殺 定食屋 同窓会シリーズその1 同窓会シリーズその2 キキキッーガチャン  びっくり 上司の小言 忙しい その1 忙しい その2 忙しい その3 酔っていない 病院坂の首 インタビュー イルカ 苦肉の作 桃太郎 その1 桃太郎 その2 自分の方こそ ドンデン返し 犬が言葉を話せたら 踏んだり蹴ったり 太る 哀愁のカサブランカ物語 変な風邪 猿の惑星 墓地 目糞鼻糞を笑う 雪国 愛情 睡眠薬 大丈夫 痛たたっ 初めて 無人島 ストーカー 占い





『穴があったら入りたい』

 駅を降りてすぐだった。
 俺はエフさんに会った。
「やあ、久し振り」と、俺は挨拶をした。
 が、エフさんは、キョトンとしている。俺は不思議に思った。
「あっ」
 俺は人違いをしてしまった。
 エフさんに似ているけど、よく見るとエフさんではない。
 俺はたまらなく恥ずかしくなった。
 どこか穴があったら入りたい気分だった。
 その時、俺の目の前に黒い穴が開いた。
 しかも、声が聞こえる。
「CQ、CQ、大変です。地球の3556−216地帯の78が大変です。その周辺の空気が異次元空間に流れ込んでいます。・・・・・あっ、間違えました。アンドロメダ星のチエイ隊長ではありませんね・・・」



『飲酒運転』

 車を運転していた俺は、警察官に呼び止められた。
「お前、酒を飲んで運転していないか」
「いいえ、飲んでいません」
「いいや、飲んでいる」
「飲んでいませんてば・・」
「いいや、飲んでいる。酒の臭いがしているし」
 警官は俺の口を両手であけさせて、口の中から舌を引っ張りだした。
「ほらっ、舌に黒ラベルが貼ってあるではないか」



『料理天国』

 俺の恋人は料理が上手。
 特にカレーを作らしたら、世界一だ。
 ただ、あまりの旨さに困った事があるのだが・・・
 まず一口食べたら右頬が落ちて、二口食べたら左頬が落ちて、三口以上は両方の頬からボロボロとカレーが落っこちて、食べられないのだ。



『死刑執行』

 今日、処刑される死刑囚は、電気椅子処刑されなくても数日後には同じ運命にたどりそうな程、弱りきっていた。
 死刑執行の看守もその死刑囚に同情した。
「何か、最後の望みはないか」と、看守は優しく言った。
「一気に死にたいので、電圧を最大にして下さい」と、弱々しく死刑囚は答えた。
「わかった」と、看守は益々同情して、死刑囚の最後の希望を叶えてあげる事にした。
 電気椅子のスイッチが押される。
 電気椅子が壊れるのではないかと思えるほど、電気椅子が揺れた。
 雷クラスの電圧だ。
 処刑は終わった。
 が、死刑囚は死んでいなかった。
「ありがとうございます。電圧のエネルギーをもらって、元気になりました。今から、貴方の首を締めて、ここから脱走します」



『動物園』

「わあっ、見て見て、パパ。色々な動物がいるよ」
「まあ、この子ったら、はしゃいじゃって。ねえ、あなた」
「ああ、そうだね、ママ」
「ねえねえ、ママ、あの可愛い生き物は何?」
「あれ、あれは猫さんよ。目が可愛いわね」
「じゃあ、パパ、あのギャーギャーさわがしい生き物は?」
「ああ、あれは、気をつけろよ。オリから出るんじゃないぞ。あれは凶暴な人間という生き物だ。さあ、ぼうや、早く行こう。お腹が空いてきたから、ご飯にしょぅ」
 そう言って、ゴリラの親子はエサ桶の方へと歩いていった



『記念日』

 その日は、地球あげての記念日。
 最大の脅威だった核兵器が全て排除され、世界は平和を至上の目標において統一された。
 人類史はじまって以来の快挙だった。
 ある日、地球に宇宙銀河系首相のピース人からの贈り物が届いた。
 人類は歓喜の声をあげ、指導者達は友情の握手を交わし、知者、賢者はその能力を全宇宙に捧げる事を誓った。
 宇宙銀河の贈り物は、とてつもなく大きな『シール』だったので、人類は宇宙から一番目立つエレベスト山の頂上に貼った。
 その頃、宇宙では・・・
「首相、彼らはあれが、何だかわかっているのでしょうか」
「どうかな。しかし、あの印を受けるまで、これほど長くかかった星も珍しいが」
「記録を軽くぬりかえたそうです。しかし、地球と星から、あの印がとれる日が、果たしてくるのでしょうか」
「・・・初心者マークか・・・」



『ちきしょう』

「ちきしょぅ。今日もコイツと戦わなければならないのか」
 俺はぼやいた。
 毎日毎日、コイツの為に一生懸命に働いているのに、コイツ、俺が働けば働くほど、ウルサイからって、俺を投げ飛ばしたり、叩いたりしゃがる。
 今日こそ、我慢ならねえっ。
 よし、今日から、俺は働かないぞ・・・

 朝、九時。
「わあーっ、九時じゃないか、遅刻だ、遅刻。何で、鳴らなかったんだよ。この目覚まし時計め。役立たず」
 今日もコイツは、俺を投げ飛ばした。
 どっちにしろ、俺は投げられる運命にあるらしい。



『自分の殻』

 僕は自分の殻に閉じこもっている。
 自閉症だ。
 どうせ、殻を破っても、破らなくても、食うか食われるかの世の中。
 早いか、遅いかの問題。
 僕は、そんな世の中で生きているのが、寂しかった。
 殻に閉じこもっていたら、他人にとやかく気を使う必要もないし、他人と争う事もない。
 ときには、閉じこもって物事を考えるのもいいものさ
 でも、わかっている。
 このままではいけない。
 周りの人だって、必死に世の中の不満、不安に立ち向かって、自分の殻を打ち破っているんだ。
 よし、僕も羽ばたこう。
「おやっ、やっと、卵からかえったヒヨコが羽ばたきだしたぞ」



『恋し恋しの千鶴ちゃん』

 俺は待ち合わせ場所、新宿アルタ前に急いだ。
 メール友達の千鶴ちゃんに初めての対面なのだ。
 どんな顔をしているのかわからないが、メールの内容からすると、物凄く可愛いと思う。
 千鶴ちゃんのメールには『頭に青のリボンをしているし、可愛いからすぐにわかると思うよ』と、書いてあったが、少々、俺は本当に会えるかどうか、不安になった。
 新宿駅から出ると、アルタ前は少し騒がしかった。
「おい、誰だ、こんな所にドラムカンを置いたのは、商売の邪魔だよ」
 店の店員が、ドラムカンをどこかに持っていこうとする。
「あらっ、私よ。私、人間よ。失礼しちゃうわね」と、意気なりドラムカンが喋り出した。
 俺はドラムカンの上部に巻いた青いヒモを見ながら、アルタ前を素通りした。



『邪魔者』

 僕は聞いた。
「どうして、僕を殺そうとするの」
 彼女は少し驚いた顔をした。
「殺そうとしていないわよ。ただ・・」
 彼女はそう言っているが、僕は全部知っている。
 彼女にとって、僕は邪魔者なのだ。
「僕を殺さないで・・・」
 彼女の瞳から涙がこぼれる。
「でも。仕方がないのよ・・・ごめんなさい・・・」
「僕、死にたくないよ・・・」
 僕は彼女の胎盤の中で泣いていた。



『釣り』

 母親は食事のたびに息子達に言っていた。
「好き嫌いしないで、ちゃんと食べなさいよ。ちゃんと食べないと大きくならないわよ」
 兄は母の言う事を聞いて、どんどん大きくなったが、弟は小食の為か、なかなか大きくならなかった。
 ある日、ごちそうが、頭の上から落ちてきた。
兄弟はそろって大きな口を開けて食べました。

「お父さん、かかったよ」と、川で釣りに来ていた男の子が言った。
「お父さんも、かかったぞ」と、父親も得意そうに言った。
「やったーっ、やったーっ」と、男の子は小さな弟を釣り上げた。
 父親の方は、中々の大物がかかったようで、釣り上げるのに一苦労。
「えいゃーっ」と、父親は精一杯の力で釣り竿を引きあげた。
 水面から跳ねるように飛び出してきた兄の魚は、マツコウクジラ並の大きさで、親子を踏み潰したそうだ。



『幽霊屋敷』

 幽霊屋敷研究会の学生三人が一番恐い幽霊屋敷について討議していた。
「A遊園地の幽霊屋敷にヤクザが入ったら、腰を抜かして出てきたらしいぜ」
「それより。知っているかい。B遊園地の幽霊屋敷は、昔の墓場を壊して、本物の幽霊が出るらしいぜ」
「もっと、恐い幽霊湯式を知っているぜ。C遊園地だけど、業者があんまり恐い幽霊屋敷を作ったんで、誰もキップ売りする人がいないそうだ」



『砂浜の赤い血』

 俺の頭から血が流れ出した。砂が焼けつけるように、肌に張り付き、しかし、俺は動けない。
 波の音が遠くに聞こえる。
 目の前は、無情な餓鬼どもの笑顔。
ああ・・・視覚と感覚が薄れてゆく・・・
「耕作君、すごーい」
「すいか割りの天才だね」
「えへへっ・・・」
 砂浜には真っ二つにされたスイカと、得意顔の少年がたたずんでいた。



『陸酔い』

 ある日、突然、日本人全部が一斉にオェーッとゲロを吐いた。
 アメリカ人も皆、仲良くゲロを吐いた。
 ロシア人もゲロを吐いた。
 中国人も、イギリス人も、フランス人も、インド人も、韓国人も・・・
 地球の全人類が、皆、オェーッとゲロを吐いた。

船乗りなど、水上の生活期間が長く身体が揺られている状態に慣れている者が、陸上に上がった時に感じる船酔いに似た不快感、陸酔い。

 そう、地球の自転がが止まってしまったのだ。



『催眠術』

 このコントを読めば、貴方は私が言った通りの行動をします。
 絶対にそうしますよ。
 あらっ、貴方は疑っていますね。
 まあ、最初は誰でも、私の事を疑っていますが、読み終わってから、「なるほど」と、納得しますよ。
 では、このコントを読めば、どういった行動をするかと言えば、貴方は私の事を軽蔑します。
 ほら、ほらね。



『チャンチャン その1』

先生と生徒の会話
先生「何だ、この点数は」
生徒「すみません」
先生「すみませんじゃないだろう。君自身の事だよ。君は日本人だろう。日本人なら国語ぐらい出来んで、どうする。いつも、0点ではないか」
生徒「はあ、でも、僕は日本人ではありません。アメリカ人です」
先生「でも、英語も0点ではないか」



『チャンチャン その2』

先生と生徒の会話
生徒「冬休み中、五冊の本を読んだのです。一冊目は面白かったのですが、後の四冊はワンパターンで、全然、面白くなかったです」
先生「そうか、でも、読書は良いことだぞ。あっ、これが、君が読んだ本だね」
生徒「はい」
先生「あっ、君、後の四冊がワンパターンだって言ってたね。それは、当然だよ。これらの本、五冊とも出版社は違うけど、同じ本だよ」
生徒「えっ」



『奇形児』

 タタリ星で、赤ん坊が生まれた。
 が、赤ん坊は奇形児だった。
 あまりにもグロテスクな赤ん坊なので、母親はその赤ん坊を一目見るなりショック死してしまった。
 父親は三本の手で、赤ん坊の首を締めようとしたが、医者にとめられて、今は精神病院に入院してしまった。気が狂ってしまったのだ。
 父親が赤ん坊を締め殺そうとするのをとめた医者は、三本の手の一つで、額の汗を拭いながら言った。
「何って赤ん坊だ。こんな赤ん坊は生まれてこなきゃ良かったのさ。いっそうの事、消えてしまえ」
 赤ん坊は医者の百個の目から消えた。

 その頃、地球ではマリアがキリストを生んでいた。



『勇敢な俺』

 今日も、沢山の美女が横たわって並べられている。
 ピチピチとしてイキの良い美女ばかり。
 俺は監視人の目を盗んで、美女を一人でも多く救ってやろうと言うのだ。
 美女は少し高台の上に並べられ、少し俺がジャンプすれば届きそうだ。監視人の隙をみつけた。
 俺はゆっくりと素早く美女の所にゆけた。
 が、美女をくわえたところで、監視人に見つかってしまった。
 監視人が叫んだ。
「こらっ、待ちやがれっ、ドロボウ猫」
 俺は魚屋を四本足で逃げ出した。



『約束』

「僕はあの子の約束を守る自信がない」
 機能、小さな男の子とある約束をした。
 男と男の約束だ。
 しかし、僕は約束を守れるか、どうか自信がなかった。
 守れたら良いけど、守れなかったら、どうしょう・・・
 あんなに、男の子は僕の事を信じて安心しているのに。
 でも、出来るだけの事をしてあげなければ・・・

「お母さん、お母さん、見てっ、見て」
「どうしたの? まあ、晴れたのね。良かったね。てるてる坊主のおかげよ」
「うん、てるてる坊主さん、約束守ってくれて、ありがとう」
 窓辺のてるてる坊主は、男の子の笑顔を見てホッとしていた。



『守護神』

「お前、今度のテストは大丈夫か」と、友達に言われて彼は答えた。
「大丈夫さ。僕には強力な守護神がいる。僕の実力で三十点、おじいちゃんの守護神で三十点、おばあちゃんの守護神で三十点、合計で九十点になる」
 しかし、返されたテスト用紙は六十点だった。
「おかしいな〜 僕の右肩にはおじいちゃんがいる。そして、左肩にはおばあちゃんが。あっ、おばあちゃんは、まだ生きていたんだった」



『過疎』

「段々、寂しくなってゆくな〜」
「ああ、この辺りも残り少なってゆく」
「俺たちも、そろそろ離れ離れになるのかな〜」
「長い間、一緒に暮らしてきた楽しかったよ」
「俺も楽しかったよ。本当、皆、兄弟みたいに仲良しだったからな〜」
「おいおい、風か吹いてきたぞ。皆、飛ばされないように、気をつけろよ」
 風に吹かれて、また男の残り少ない髪の毛が飛んでいった。



『足音』

 アパートの階段をのぼってくる足音。
 部屋に近づいてくる。
 リズミカルな足音。
 私はその足音に聞き覚えがあった。
 が、思い出せない。
 誰だろう。
 なぜか、最も親しい人の足音のような気がした。
 妻かな。
 いや、妻は実家に帰っている。
 それに、妻はそんなにリズミカルな足音ではない。
 誰だろうか・・・
 足音は部屋の前にとまる。
 鍵を開ける。
 ドアが開く。
「わぁー」
「わぁー」
 ドアの外には同じように腰を抜かしている私がいた。



『無題』

 僕は家出した。
 僕に対する家の人々の態度が、あまりにも冷たいからだ。
 家の人は僕を嫌っている。
 今日も僕の嫌いな物を投げて、「外に出ていけー」と、言われた。
 毎年、言われるのだが、やはり僕は淋しい。
 僕は途方に暮れ、夜の薄暗い公園のベンチに腰かけた。
 僕はボンヤリと、公園の周りを見回してみると、暗がりの中に沢山の淋しそうに歩く人達がいた。
 僕と同じ境遇の仲間であろう。
 僕は、その中の一人に声をかけた。
「貴方も家出ですね」
「そうです。毎年、この時期になると、大嫌いな豆をぶつけられて、住み慣れた家を出ていかなければならないのです」と、鬼はシミジミと言った。



『言い訳』

 気がついた時、そこが何処なのか全くわからなかった。
 見覚えのない白い部屋、大勢の見知らぬ人達が俺をジーッと見つめている。
 俺は悪い予感がした。
 いや、すでにその予感は最悪の状態で的中している。
 俺は記憶喪失なのだ。
 俺は絶望した。
「ここは、どこでしょうか。俺は誰でしょうか。そして、貴方は・・・」
「おい、あのなぁ〜 どうして、正直に宿題を忘れましたと、はっきり言えないのだ。先生は悲しいぞ」



『純情告白青春記』

 今日こそ言うぞ。
「君が好きだ」と。
 この道を通る、あの娘はとても可愛い女の子。いつも俺に手紙を渡してくれるのだが、いつも誰かが強引に手紙を持っていってしまう。
 だから、その娘がどんな内容の手紙を書いてくれるのか知らない。
 だけど、俺が告白しないと、あの娘に俺の想いは届かない。
 俺は勇気を出した。
「おっと、来た来た」
 あの娘は水色のワンピースを着ていた。あの娘を目の前にして、俺の全身が真っ赤になるのを感じる。
 足が棒のようだ。
 あの娘はいつものように俺に手紙を差し出す。
 俺は声を出そうとするが、いつものように声は出ない。そうこうしている間に、あの娘は行ってしまう。
「待ってくれー」
 追いかけようにも、足が動かない。
 遠ざかってゆく女の子の後ろを姿を恋するポストはウットリと見送っている
 やがて、回収する郵便局員があの娘の手紙を持ってゆく



『交通事故』

 車に跳ねられた男が悲しく無惨に転がっている。
 俺はこの光景を一部始終見ていた。皆、男がピクリとも動かないで、頭から血を流している無惨な姿に目を向けながら、すぐに目をそらし、何事もなかったように通り過ぎてゆく。
 俺は道端に座りながら、現実を見せられたようで、途方に暮れてしまう。
 トラックが止まった。
 中から若い男が出てくる。
 若い男は死体をビニール袋に包み、辺りに飛び散った血を拭き取った。
 次の瞬間、俺の行き場のない気持ちは、遠い空の彼方に消え去った。
 若い男はそそくさとビニール袋をトラックに詰め込んだ。もうすぐすると、この通りは何事もなかったように、人々がたわむれる。
『人間廃棄物処理班』と書かれたトラックは走り去っていった



『クリスマス・イブ』

 それはクリスマス・イブの夜だった。
「さよなら、もう貴方に引きづり回されるのは嫌だわ」
「行かないでくれ。君なしでは、僕は名にも出来ないんだ」
「いつも、貴方はう言うけど」
「頼む。行かないでくれ」
「一体、私の事を何だと思うの。私は貴方の何?」
「・・・トナカイ」



『黒服の旅人』

 ある夏、黒服で身を覆った旅人は、不思議な星にたどり着いた。
 世界滅亡に陥ったのか、この星は、なぜか真っ二つに割れて、旅人はその赤々とした地面を果てしなく歩いていた。
 地面は水はけがわるく少しべたついて歩きにくい。
 旅人はその地面に少し甘酸っぱい香りがするのを不思議に思った時、天から声がしてきた。
「キャーッ、お母さん、アリがスイカの上を歩いているよ」



『英語の夢』

 一人の男が精神病院を訪れた。「先生、私、英会話を勉強するようになってから、英語の夢ばかり見るのです。別に最初のうちは喜んでいたのですが、毎晩毎晩英語の夢ばかりだと、意味がわからすに気が狂いそうで」
「そうですか、それなら治療してみましょう」
 先生は男に催眠治療し、男を帰した。

一週間後、男はまた精神病院にやってきた。
「先生、まだ英語の夢ばかり見るのですが」
「おかしいな〜 夢の中で変わった事はありますか」
「そう言えば、意味がわかるようにりました」
「それは英語の勉強の成果でしょぅ」
「いえ、夢に字幕がつくようになりました」



『火あぶり』

 俺は鉄格子の上に乗せられてい。
 火あぶりの刑だ。
 熱い火が俺の身体をあぶる。
 熱い。
 俺はここで死ぬのだろうか。
 俺の身体は火傷だらけ。
 ひしひしと熱さが伝わる。
 俺の身体の中で何が膨れあがった。

 その瞬間、近くの子供が叫んだ。
「お母さん、おモチが膨れて、半分こげているよっ」



『スパゲッティー』

「今晩のご飯はスパゲッティーよ」と、母親が子供に言った。
 子供は食卓を見ながら、「でもこのスパゲッティー、ケチャップが入っていないよ」と、不満そうに言う。
「いいのよ、こうすれば・・・」と、母親は子供の頭をハンマーで殴った。
 鮮血がポタポタと皿に落ちてゆく。
「まだ、肉が足りないけど・・・」と、子供が死にそうな声で言うと、母親は包丁を取り出して子供の・・・



『餌食』

 本命竜馬は三流雑誌の記事「恋愛マニュアル」を読んでいた。
「女性徒歩く時は、男性は女性をかばいながら歩道の道路側を歩けか・・・」
(でも、俺の彼女は、ちょっとばっかり太っているから・・・)
 次の日、デートの時に、それを実行してみたが・・・
「ギョェー、車が・・・」
 本命竜馬は、車の餌食になったとさっ



『えいかいワーッ』

 英会話教室に入校した本命竜馬は、先生の話しを聞いてた。
「この教室は日本ではありません。だから、絶対に日本語を使ってはいけません」と、先生は教室内のルールをまず説明してくれた。
(そうか、この教室は日本ではないのか。それならば、外国では、挨拶がわりに女性にキッスするのも有りなのかも)と、本命竜馬は、自分の都合の良いよに考えて、それならば、教室内で色っぽい女性に・・・
 本命竜馬は、ガルーゥーとキスしょうと女性に飛びかかって行った。
「キャーッ」と、勿論、女性は逃げ回りながら、胸ポケットから婦人用ピストルを取り出して、本命竜馬を退治した。



『下級そば』

 汚い立ち食いそば屋に俺はいた。
 店員のじじいに注文する。
「この店で一番安いそばをくれ」と。
 じじぃは馬鹿にニャニャしながら「下級そばで、よろしいですか」と、言う。
「何だ、その下級そばとは」と、俺が聞くと、じじいはニコニコしながら「乞食が嘔吐したそばに、わしの鼻糞を混ぜたものだ」と、言った。



『逃げるなー』

 ある日、俺は宇宙人に会った。
 宇宙人が俺に質問をする。
「アナタハ、ニンゲンデスカ?」
 俺は宇宙人が気色悪い声で質問するので、逃げだそうとた。
「ニンゲン、ニゲルナー・・・ニンゲン、ニゲルナー・・・ニンゲン、ニンゲンナー・・・」



『変わったプレゼント』

 誕生日のパーティーで、俺は友人たちから色々な素敵なプレゼントをもらった。
 ネクタイ、サイフ、シューズ、小物等。
 そして、いつも喧嘩ばかりているK君からもプレゼントをもらった。
 しかし、K君のプレゼントは変わった物だった。
 添え木だったのだ。
 後でK君に聞いてきると、K君は隠し持っていたバットを振り上げてから「今から、それが必要になってくるのさ」と言いながら、俺の腕を・・・



『前の方が・・・ その1』

 豚みたいに太った女の子が神様にお願い事をした。
「私を綺麗にして下さい」と。
 神様は、その子の願いを叶えてあげた。
 その子は願い通りに綺麗になったが、正真正銘の綺麗な豚になってしまった。



『前の方が・・・ その2』

 神様に豚にされた女の子が、また神様にお願いた。
「ブーブーブブブゥ」と。
 だが、神様はその豚、いや、その女の子が何を話しているのか、わからなかった。



『前の方が・・・ その3』

 豚になった女の子、諦めて別の神様にお願いした。
 その神様は豚の神様だった。
「ブーブーブブブゥ(元に戻して下さい)」と。
 豚の神様は、その子を豚の人形にしてしまった。



『前の方が・・・最終回』

 豚の人形にされた女の子は、別の神様にお願いした。
「私を元に戻して下さい」と。
 ところが、神様は豚の人形が喋ったのに驚き、腰を抜かした。



『ブス子の悩み』

 顔面が、グチャグチャの女の子に恋人が出来たか、デートが物足りない悩みがあった。
 ある日、夜の公園にて、恋人に悩みを打ち明けた。「どうして、キッスしてくれないの」と、モジモジ。
「ごめんな。いくら捜してもブス子の唇がどこにあるのか分からないんだよ」



『ブス子への誕生プレゼント』

 今日が顔面将棋倒しのブス子の誕生日だった。
 勿論、恋人も祝ってくれた。
 プレゼントをブス子に渡した。
「なーに、プレゼントの中身は・・」と、ブス子は恋人に甘えた。
 恋人は嬉しそうに「ブス子綺麗になってもらいたくて、化粧品を・・・」と、プレゼントの包みを開けて、中からメリケン粉を取り出した。



『恋人からの質問』

顔面パンチドランカーのブス子に恋人が質問した。「もし、俺達が結婚したら、ブス子は何人ぐらい子供が欲しいかな?」
 ブスは、照れながら答える。
「五百人ぐらいかな〜」
「ひぇーっ」



『鏡よ鏡』

顔面総崩れのブス子は、魔法の鏡にたずねた。
「鏡よ鏡、この世で一番美しい女性は誰?」
 ブス子は魔法の鏡を少し睨みつけた。
 魔法の鏡は少しビクッと身震いして、ブス子の顔を映し出した。
「この世で一番美しい女性はこの方です」と。
 魔法の鏡が話し出した途端、バリバリバリと、鏡は割れてしまった。



『混浴の露天風呂にて』

 顔面モンスターのブス子が恋人と温泉旅行に行った。混浴の露天風呂で恋人と仲良く、お湯に浸かりながらブス子は恋人に話しかける。
「私の体って綺麗?」
 恋人は少し戸惑いながら、正直に答える。
「綺麗だけど、いやにゴツゴツしているな〜」
「あっ、それは岩です」と、ブス子のそばにある岩を優しく撫でている恋人に少し怒った。



『ブス子の自殺』

 顔面墓石のブス子が自殺を決意し。
 恋人から「別れてくれ」と、言われたのが原因だった。
 ブス子は自分の手首をカッターナイフで切ろう、思い切って傷つけた。
 鮮血がドボトボと流れてきたが、ブス子は痛いのを我慢した。
 我慢しすぎたと思ったら、傷口からウンコが出てきた。
 切る所を間違えたらしい。



『定食屋』

 俺は世間の評判を聞いて、珍しい定食のメニューを置いてある定食屋に行ってみた。
 店に入り、壁に張り付いてるメニューを見ていく。
 リンチカツ定食、サンバ定食、ヒィーヒィー定食、たこあげ定食、人間巻き定食など、様々な定食があった。
 俺は、どういう定食を注文しょうかと迷ったが、店員が来たので、とっさに目についた焼き肉定食を注文した。
 店員は「かなり、時間が掛かりますが、よろしいですか」と、言った。
 俺は別に急いでいないので「はい」と答えた。
 だが、いくら待ってもこい。
 一時間待っても、二時間待っても・・
 ついに一ヶ月待って、やっと焼き肉定食が来た頃には、俺は白骨死体になっていた。
 店員は「お待ちどうさま」と、焼き肉を俺の肋骨に詰め込み始めた。



『同窓会シリーズ その1』

 俺は久し振りに同窓会に出席した。
「お前、医者になったんたってな〜」
「ああ・・」
「でも、お前、血を見ると気絶する体質しゃなかったかい」
「だから、手術の時は、目を閉じてやっているんだよ」



『同窓会シリーズ その2』

 俺は久し振りに同窓会に出席した。
「お前、結婚したのか」
「いいや、どうして結婚したと思ったんだい」
「だって、背中に赤ん坊を背負っているから」
「ああ、そいつは、水子の霊さっ」



『キキキッーガチャン』

 新車を貸した彼女から電話があった。
 彼女は少し泣いていた。
「ごめんなさい。車をぶっけちゃった」
「それより、怪我はなかったのかい」
「私は大丈夫だったけど、ぶつけられた人は死んでしまったわ」
「・・・」



『びっくり』

 俺は三の倍数の日が誕生日で、チョー変な娘が好きになる傾向があった。
 ある日、原宿の竹下通りて、タイプの娘がいた。
「ねぇ、君の誕生日はいつ?」
「丑三つ刻」
 俺はいっぺんで好きになった。



『上司の小言』

 ある夜、部長と差して酒を飲む機会があった。
 部長はチビチビと日本酒を飲みながら、俺に小言を言った。
「若いうちは、理屈ばっかりで言っていてはダメなんだよ。実行あるのみなんだよ」と、俺の肩を叩きながら言う。
俺はレモンサワーを飲みながら聞いていたが、ある一大決心て、その事を部長に言った。
「わかりました。もう理屈は言いません。これからは、屁理屈を言います」



『忙しい その1』

 博士は研究所にて、ビカーの液体を観察したり、書類を書いたりと、慌ただしく研究を進めてい。
「あー忙しい、忙しい。明日が研究発表会だと言うのに、まだ何も準備ができておらん。猫の手でも借りたいくらいだ」
「猫の手・・・」と、少しで博士の役に立ちたいと思っていた助手は、ある名案を思いつき、研究所を出て行った。

「博士、これでどうですか?」と、助手か博士に差し出したの、近所で捕まえてきた猫の手だった



『忙しい その2』

「馬鹿も、何を考えているんじゃ」と、本当の猫の手を持ってきた助手を博士は叱った。
「猫の手を借りたいと、そういう意味ではないんだ」
「すみません」と、助手は謝ったが、また、何か名案を思いつき、慌てて研究所を出ていった。
 博士は怪訝に思ったが・・・
「ギャーッ」と、遊びにきていた孫の悲鳴が聞こえてきた。
「孫の手でもない」と、博士は慌てて、助手をとめた。



『忙しい その3』

 案の定、助手か孫の手首を出刃包丁で切ろうとていた。
「馬鹿もん、何を考えてるんだ」と、博士は助手を叱りつけた。
 可哀相に孫は泣き出してい。
「すみません。猫の手が駄目から孫の手にしょうと思ったんですが、こうなったら、奥の手を出します」



『酔っていない』

 酔っ払い二人が財布を拾った。一人が財布の中を見て言った。「おい、千円札がとっさり入っているぞ」
「何を言っているんだ。一万円札の束じゃないか」
「凄いしゃないか、これで、もう一軒行けるな」
「よしよし、もう一軒行こうしゃないか」と、中身の入っていない財布を持って、酔っ払い二人は、高級クラブに入っていった



『病院坂の首』

 生首をめぐる連続殺人事件が起きた。
 さっそく、銀田一耕助が推理する。「この生首は口がバッサリと切り取られてますね。これが本当の、死人に口なし・・・」
「おおっ、この生首は手首をくわえていますね。これが本当の、のどから手が出る」
「おおっ、この手首は奇妙だな〜 目が完全に潰されていし、ポテトチップを食べているようだし・・・これが、本当の、お菓子に目がない・・・」



『インタビュー』

司会者「最近、凝っていのは何ですか?」
A氏「ゴルフにスキーにテニスかな・・・」
司会者「Bさんは何が凝っていますか」
B氏「肩・・・」



『イルカ』

 人面魚ならぬ、人面イルカが、この程発見されて、巷で有名になっている。
 なんて・・そんなイルカはいるかっ



『苦肉の作』

 ついに博士は、とんでもない大発明をした。
 得意気に助手に話す。
「このビーカーに入っているのが、世にも珍しい透明の液である」
 助手はビーカーの中を不思議そうにのぞきこみ、「博士、このビーカーの中に何も入っていませんが」
 博士は、困った顔をして「だから、透明の液なんだよ」と言った



『桃太郎 その1』

 むかしむかし、おじいちゃんとおばあちゃんがいました。
 おじいちゃんは山に芝刈りに、おばあちゃんは川に洗濯に行きました。
 おばあちゃんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃がドンブラコ、ドンブラコと流れてきました。
 その大きな桃をおばあちゃが川から引き上げ、家に持って帰る途中、役所に見つかり窃盗の疑いで牢獄へ連れてゆかれたとさ。



『桃太郎 その2』

 窃盗の疑いが晴れて、家に帰ってきたおばあちゃん、山から帰ったきたおじいちゃんと、大きな桃を食べようとした。
 おじいちゃん、大きな包丁で、桃をパカンと半分に切りました。
 すると、中から頭から血を流した桃太郎が出てきたとさ



『自分の方こそ』

母「毎日毎日、遊んでいないで、少しはお父さんを見習ったらどうなの」
息子「見習うって、何を見習うの」
母「仕事が終わったら、料理を作ったり、洗濯をしたり、掃除したりしてくれるじゃない」
息子「俺、お父さんより、お母さんを見習っているんだけど」



『ドンデン返し』

 借金地獄に陥っている可哀相な男が神様にお願いをした。
「お金を何とかしてください」と。
 神様は同情して、借金を返せるだけお金を目の前に置いた。
 男は喜び、借金を返そうとしたが、翌日、ニセ札作りで警察に捕まったとさ。



『犬が言葉を話したら』

 外国の犬が人間の言葉を話しはじめた。
 ところが、一つだけ話せない言葉があった。
「・・・ツゥー、スリー、フォー、ファィブ」



『踏んだり蹴ったり』

 海で泳いでいたら、急に足を攣らし溺れ死んだ男がいた。
 死んであの世に行く途中、三途の川を渡ろうとしたが、橋から足を滑らし、川に落っこち、またまた溺れ死に。
 そして、また、この世に戻ってきたと思ったら、胎内の水でまたまた懲りずに溺れ死んだ。



『太る』

 彼女はケーキが大好きだった。
 一日百個食べるのが、彼女の日課。
 ある日、体重がドンドンと増えていった。
 もう体重をキロで言うよりも、トン単位で言わないといけないくらい太ってしまった。
 壊してしまった体重計が部屋の隅に数台転がっている。
 中には爆破した体重計もある。
 エレベーターにも乗れないくらい太ってしまった。
 重量オーバーで乗れないのではなくて、エレベーターの入り口に身体がつかえて乗れないのだ。



『哀愁のカサブランカ物語』

 男が東京を離れ、生まれ故郷の九州に帰ろうとした頃だった。
 突然、一ヶ月前につまらない事で喧嘩別れした彼女から電話が掛かってきた。男の友人から帰郷の事を聞いたらしい。
「ごめんなさい。やっぱり、九州に帰るのはやめて」
「今さら無理だよ。どうして、今ごろ・・・」
「愛しているのよ」
「・・・」
「やっぱり、貴方がいないと駄目なの、わたし・・」
 男はその言葉に心が少しぐらつく
「本当か、その言葉・・・」
 彼女は、ちょっと時間をおいて、クスクスと笑い出した。
「冗談よ。だって、女心と秋のホラって言うじゃない」



『変な風邪』

 変な風邪を引いてしまった。
 熱が四十度も上がったり、二十度になったりと、体温の変化が激しいのだ。
 すぐに病院に行き、数々の検査を受けて、先生から病名を聞いた。
「貴方の熱は、支離滅熱という病名ですね」
「・・・」



『猿の惑星』

 ワープしていた宇宙船は、ある惑星に着陸した。
 その惑星は猿が人間を支配する社会形態だった。
 宇宙飛行士は、そんな社会を見て、革命を起こす事を考えた。
(猿が人間を支配するなんて、許さん。何とも憤慨する事態)
 そこで、宇宙飛行士は、猿と人間の地位が逆転する提案を出した。
 何とも馬鹿馬鹿しい話しだが、オナラの臭さで競う事にした。
 その理由は飛行士の特技は、いついかなる時でも、透かし屁を出せる事と、猿側が戦争を好まなかったからだ。
 翌日、猿側の代表者と、飛行士のオナラの臭さ大会が開催された。
 まず、飛行士が屁を出してみたが、意外にも会場を白けさしただけであった。
 今度は猿側代表選手の番である。
 代表は思い切って屁をしたが、これがまた、臭い。
 飛行士は堪え切れずに、鼻を押さえながら、こう叫んだ。
「猿のはクセェー」と。当たり前だが、猿のはくせいである。



『墓地』

 昔から墓地には人魂に代表されるように、さまざまな霊現象が起こる。
 その中で一番、霊現象が起こりやすい時間帯を発見した。
 それは、空が澄み切った日の夕方、星がキラキラと輝く時間である。
 この時間に見える星の事を、一番ボチと言う。



『目糞鼻糞を笑う』

 目の良い奴と目の悪い奴が目にとまった目玉病院で目玉を取り換えたが、目の悪い奴だけ失敗し、目のやり場に困る目に余る顔になり、目には目を歯には歯ををと、目の上のたんこぶの目の良い奴の目を盗み、目に物を見せてやるぞと目を剥いたが、目明千人盲千人と目から鱗が落ちて目の良い奴に目を暮れなかった。



『雪国』

 長いトンネルを抜けると、真っ白い湖の上にいた。
 ポトン・・・
 気持ち良い音を立てて、湖に飛び込んだ
 ひんやりとする湖水、茶色に染まってゆく・・・
 ザァァァァ・・・
 意気なり、静かな湖面に大量の水が流れてくる。
 便器の中に茶色の物体が消えてゆく。



『愛情』

 ある日、俺は可愛い彼女に話しかけた。
「良かったら、俺と付き合ってくれ」
「ええ、喜んで・・・」
 俺たちは念願の恋人同士になったのだが。
 その数日後。
「俺たち、付き合っているんだから、もっとそばに来なよ」
「駄目よ、私たち、一定の間隔をおいて付き合わなければ世間は納得しないのよ」
 彼女の言葉は残酷だったけども、それは事実だった。
 いくら、赤い糸ではなく、一本の線で繋がれている電信柱だからって、こんな愛があっていいのだろうか?



『睡眠薬』

「これで、俺は死ねる・・・」
 俺は空っぽの薬のビンを手にベットに横たわった。
 会社のお金を使い込みクビになり、女から金を騙し取られたあげく振られて、もう人生も終わりだ。
「このまま眠りに落ちれば、もう永遠に目を開ける事はない」
 そう、俺は信じ、間抜けだったこの世に別れを告げた。

 翌朝、母の大声で目が覚めた。
「誰っ、私の便秘薬、勝手に持っていったのは・・・あれは、強力だったのよ・・・」
 そして、俺の腹が緊急指令を鳴らした。
 ぐるぐるぐるぐるぴーっ



『大丈夫』

患者「先生、妹は助かるでしょうか」
医者「助かります」
患者「絶対に、助かりますか?」
医者「もし、危なかったら、救急車ありますから、大丈夫です」



『痛たたっ』

医者「痛かったら、痛いって言って下さいね」
患者「あうあう」
医者「あうあうじゃ、わかりませんよ」



『初めて』

患者「初めての手術で緊張しているのですが、大丈夫でしょうか」
医者「大丈夫です。実は、私も初めての手術ですから」



『無人島』

 船が難破し、ある無人島に流れついた若者は助けを求めようと、タキギを集めて火を起こした。
 これで遠くから通る船や飛行機が気づくかもしれない。
 若者は、もっと目立つように、タキギの量を増やした。
 が、あまりにも増やそうとしたため、若者の服に引火し、火を振り落とそうと暴れ出した。
 何とか、若者の服に掛かった火を消すことは出来たが、そこら中は火。
 あいにく、無人島は感想していたので、全焼する勢い。

 その頃、偶然、通りかかった船があった。
 双眼鏡を持った船長は「あんな所に、火山島があったかな〜 この辺りは難破する船も多いので、火山の影響に巻き込まれないうちに、この場から脱出しなければ・・・」と、舵を変えた。



『ストーカー』

 全然、彼女は俺を愛してくれない。
 抱こうとしても、彼女は嫌がり、俺を優しく包みこんでくれるばかり。
 本当に、彼女は俺の事を愛しているのだろうか。
 疑問。
 俺は彼女の全てが好きなのに、いつも、おでこにキスするばかり。
 俺が欲しいのは、そういう事ではない。
 俺は泣きたくなってくる。
 欲求が押さえられなくなって、我慢出来ないんだよ。
 確かに、年はかなり離れているけど、恋愛に年の差なんて関係ないと言うじゃないか。
 抱き締めらたい。
 俺は彼女の胸の中で甘えたい。
 柔らかい胸に・・・

 俺は彼女に抱き上げられながら、「ママ、ミルク、ちょうだい」と、泣いてみた。



『占い』

占い師「貴方の恋人は、事故死するかもしれませんよ」
女性「本当ですか」
占い師「本当です」
女性「それなら、その犯人の女性は捕まってしまうの、逃げられるの?」




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